新たなる金の採掘場

新たなる金の採掘場----------------------------------------------------------------------------------------

 ニビルの接近は地球とラーム(火星)に多大な影響を及ぼした。しかし、ニビルでも被害は甚大だった。金粉の大気シールドが破れ、大気が減少していたのである。そのため、更なる金の補充が必要となった。
 エンキはアブズに何度も調査しに行ったが、金鉱はすべて水によって埋まっていた。そして、原始的労働者も泥と化していた。地球とニビルには絶望が広がった。
 
 しかし、海の向こうの中南米の山間地を旅していたニヌルタ(アラム・ムル)から、驚くべき知らせが届いた。殺到した水が山腹に深い切れ込みを入れ、そこから無数の金が塊となって下の川に落下し、採掘することなく引き上げられる、と。エンリルとエンキは即座に飛んで行き、間違いないことを確認した。
「ニビルがもたらしたことによって、ニビルが救われるとは…。“万物の創造主”の目に見えない力が、ニビルに生きる機会を与えた!」とエンリルは喜んだ。
 誰が金塊を集められるか、どうやってニビルへ運ぶか、指導者たちは尋ねあった。最初の問題には、ニヌルタ(アラム・ムル)が答えを持っていた。海の向こう側の山間地には、カ・インの子孫が筏(いかだ)で助かっていた。彼らのリーダーは4人の兄弟と4人の姉妹で、金属の扱い方を知っていた。そして、ニヌルタ(アラム・ムル)を自分たちの祖先の守護者として思い出し、“偉大な守護者”と呼んでいた。エンリルは、もう怒っていなかった。
「“万物の創造主”の御意思なのだ。さあ、新しい“天の二輪戦車の場所”を設置し、そこからニビルへ金を送ろう!」“着陸場所”のすぐ近く、荒れ果てた半島に、適した平地を見つけた。それは静まり返った湖のように平らで、白い山々に囲まれていた。

 このようにニビルの影響により、中南米の山肌に金が塊で露出していた。中南米で金が重要視されたのは、これが理由である。
 そこには、カ・インの子孫が生き残っていた。かつて、ニヌルタ(アラム・ムル)は地球の反対側に行き、カ・インの子孫を見つけ、指導者として道具の作り方や音楽、金属精錬、筏船の作り方などを教え、中南米のアンデス文明などの基礎を造っていく。更にその子孫は環太平洋一帯に広がり、一大王国を築いた。