ピラミッド建造者とエノク伝説

ピラミッド建造者とエノク伝説--------------------------------------------------------------------------

 ピラミッドを建造したのはニンギシュジッダである。しかし、お膝元のハム系フリーメイソンの口頭伝承や、14世紀エジプトの歴史家アル・マクリージーの「群国誌」ではエノク(別名イドリス)ということになっている。エノクの原型はエンキ・メ(“エンキによってメを理解した”)である。彼は賢く、数をすぐに理解し、天空と空に関するすべての知識をエンキから授かり、月と火星にも行った。そして、ウツに認められ、エンキ・メが初の聖職者となった。
 また、“年代記”では彼について、天空に旅立った、死ぬまでそこに留まったと記されており、エノクが天空に旅立って留まったという伝承も、これが原型である。


 では、何故、ピラミッド建造者がエノクとなってしまったのか。それは、マルドゥクによるニンギシュジッダの真相及び神話の改竄(かいざん)が原因である。エノクはヘルメスとも言われる。ギリシャでは叡智の神とされ、別名トートである。トートはエジプト神話に於ける知恵の神であり、錬金術の神秘主義ヘルメス学では、ヘルメス=トートを神官、王、賢人(哲学者)である三重に偉大な者“トート・ヘルメス・トリスメギストス”と言う。
 ヘルメス学に於けるヘルメスは、長い剣に2匹の蛇が巻き付いたカドゥケウスの杖を持つ姿で描かれる。そして、エノクはあらゆる秘教の大元とされており、彼が天使との会話に用いたエノク語は、至高の力と叡智をもたらす呪文とされる。秘教の大元とされたのは、マルドゥクによって、トート=ニンギシュジッダが呪文でイシスの姿を隠したり、ホルスに向かって呪文を唱え、仮死状態のホルスが息を吹き返したりと、魔術・妖術の原型とされてしまったためである。