ニンマーの称号

ニンマーの称号----------------------------------------------------------------------------------------------

 岩盤からライオンを切り出して形作る仕事が進行していると、マルドゥクがエンキに不満を訴えた。「地球全体を支配することを、約束して下さったではありませんか!しかし、指揮権と栄光は他の者たちに与えられ、私の任務は何も無いままです。あの技巧を凝らした山は、かつての私の領地に置かれていますから、ライオンは私の姿であるべきです!」
 この言葉にニンギシュジッダは怒り、他のエンキの息子たちも不快に思った。そして、領地を要求するマルドゥクの声に、ニヌルタと彼の兄弟たちも刺激され、叫んだ。
「誰もが自分たちの土地と献身的な地球人を求めているのだ!」怒号が飛び交う中、「祝賀を争いの場にしてはなりません!地球はまだ混乱状態にあり、アヌンナキも地球人も僅かな生存者しかいないのです。マルドゥクにニンギシュジッダの名誉を奪わせてはなりませんが、マルドゥクの言うことも聞いてあげましょう」とニンマーが仲裁した。「平和を保つため、我々の間で居住地を引き離すべきだ」とエンリルが言った。
 シナイ半島を中立地帯とし、そこを仲介者ニンマーに割り当てた。ティルムン、“ミサイルの地”とその地は名付けられた。そこから東がエンリルと彼の子孫に割り当てられた。ジウスドラ(ノア)の2人の息子セムとヤフェトも、彼らと共にそこに住まわされた。アブズを含む広大な大地は、エンキとその一族に割り当てられ、ジウスドラ(ノア)の次男ハムもそこに住むことになった。
 「マルドゥクを彼らの土地の主としよう」とエンキが提案した。「あなたが望むなら、そうすれば良い」とエンリルは言った。ティルムンの南に、ニヌルタが母ニンマーのために住まいを建てた。そこはナツメヤシが生い茂る谷であり、ニヌルタは山の頂上を段々畑にして、母のために香(かぐわ)しい庭木を植えた。こうしてすべてが完成すると、地球上のすべての居留地に合図が送られた。“つむじ風”が山岳から海を渡って金塊を運んできた。そして、“天の二輪戦車の場所”からその金塊はニビルへと打ち上げられた。その記念すべき日に、エンリルとエンキは話をして決めた。   
 「仲介者ニンマーに新しい称号を与え、敬意を表そう!ニンフルサグ、“山の頂上の女主人”と名付けよう!」満場一致の拍手で、ニンマーに敬意が表された。「ニンフルサグを称えよ!地球の仲介者に!」アヌンナキは声を揃えて褒め称えた。
 女主人がニンフルサグ、“山の頂上の女主人”は、昔から“山の神”が妻や女性を暗示していた由来である。また正統ユダヤ民族はセム系と言われるが、その理由は、まずはセムが中東に住まわされたからである。