スフィンクスと神社の狛犬の関係

スフィンクスと神社の狛犬の関係------------------------------------------------------------------------

 ピラミッドと言えばスフィンクス、スフィンクスと言えばピラミッドと、ピラミッドとスフィンクスは切っても切れない関係である。スフィンクスには人頭(じんとう)獅子、隼頭(じゅんとう)獅子、羊頭(ようとう)獅子などがあるが、最も一般的なのは、ギザの三大ピラミッドの東側にある大スフィンクスの人頭(じんとう)獅子である。スフィンクスは、古典ギリシャ語のスピンクス(絞め殺す者)の英語読みであり、エジプト人が刻んだ銘文にはホル・エム・アケトとある。これは、地平線のホルス神=ラーの化身=天空船、という意味である。また、元々の名前はシェプスアンクであった。“シェプス”は姿という意味であり、“アンク”は復活や再生の神という意味で、イエスの予型(よけい)となっている。
 スフィンクスは元々ニンギシュジッダの顔であったが、マルドゥクが息子のナブの顔に変えてしまったのである。大スフィンクスは体に比して頭が小さすぎるというのも、これが原因である。つまり、元々の名前こそニンギシュジッダに由来するものであり、“復活”や“再生”の概念も、ニンギシュジッダに因(よ)るものである。
 そして、スフィンクスは人の顔、獅子の胴、牛の尾、鷲の翼で、メルカバーであり、重要なカッバーラで、知恵の神ニンギシュジッダに相応しい。

 では、スフィンクスの役割は何なのか。3つ立ち並ぶ「生命の樹」としては、日本では神社に於ける3つの正殿がある。正殿に辿り着くためには、鳥居をくぐり、場合によっては狛犬の間を通る。狛犬は犬ではなく、元々は“高麗犬”と書き、向かって右が獅子、左が角の生えた狛犬=ユニコーン(一角獣)である。獅子=ライオンは大陸伝来であり、中国、インド、メソポタミアにも狛犬は見られるが、いずれも獅子は生息しない。獅子が生息するのは、唯一、アフリカである。つまり、獅子の原型、そして一対の狛犬の原型がスフィンクスである。
 スフィンクスは元々一対で存在し、獅子の顔で羽があった。現在、一基は失われているが、神社の狛犬から考えて、向かって右が口を開けた阿(あ)、左が口を閉じた吽(うん)である。これが、よく言われている口頭伝承“スフィンクスが永遠の叡智を含んだ謎の言葉を語った”ということである。つまり、阿(あ)=アルファ=最初、吽(うん)=オメガ=最後であるから、“最初であり最後、アルファでありオメガである”と言ったイエスの予型(よけい)である。これは、前述の“アンク=復活や再生の神”とも一致する。
 第2ピラミッドの中心線を東に延長し、現在のスフィンクスの線対称となる位置にもう一体のスフィンクスはあった。そして、この構造は、ほぼ神社での正殿に対する狛犬の配置に相当する。


 スフィンクスの前足の間には、トトメス4世が造らせた花崗岩の石碑がある。そこには、2頭のスフィンクスが背中合わせに並んで彫られている。エジプト芸術の技法として、向かい合わせではなく普通に左右に並んでいる状態をそのように描く特徴があることから、スフィンクスは一対で存在したと言える。“失われたスフィンクス”が存在していた場所は現在、貴族の墓マスタバが存在するが、それは後世になって建造されたものである。
 このように、何らかの理由で破壊されたスフィンクスは、東から向かって右側のものであり、現在残っているのは左側のものである。破壊された残骸は、河岸(かし)神殿や大スフィンクス神殿の材料となった。河岸神殿や大スフィンクス神殿の材料はスフィンクスを造った残りの石灰岩で造ったのではないことが判明している。それは、両方の神殿の石灰岩の石質も現在のスフィンクスのものとは異なり、失われたと推定されるスフィンクス付近の岩盤の石灰岩と酷似しているからである。
 ハム系フリーメイソンの伝承では、スフィンクスは翼を付けたエノクということになっており、通説ではカフラー王の顔を象(かたど)ったと言われている。しかし、実情は、ピラミッドを建造したニンギシュジッダを讃えるために造られた建造物であり、元々は彼の顔だったが、マルドゥクによってナブの顔に変えられてしまったのである。