認められたマルドゥクの覇権

認められたマルドゥクの覇権-----------------------------------------------------------------------------

 “大いなる惨禍”の後、エンキとエンリルはこの大惨事を調査するために会った。エンキは、バビリが免れたことは神のお告げであることをエンリルに言った。
「マルドゥクは最高権力を運命付けられていたのだ。バビリが免れたことが、その証拠だ!」
「“万物の創造主”の御意思だったに違いない!」
とエンリルは言った。そして、エンキにガルズの預言について明かした。
「それを知っていたのなら、何故、“恐怖の武器(核兵器)”の使用を回避させなかったのだ」
とエンキが聞いた。
「いろいろなものを見すぎたのが原因だ。君が地球に来て以来、ミッションはいつも障害にぶち当たった。私たちは妨害を出し抜く方法を見つけた。例えば、我々の任務の最高の解決法だった地球人の創造のようなことが、望まない無数の紆余曲折の源泉でもあった。君が天体の周期を測って星座を割り当てた時、誰がそこに“運命”の手を予見できただろう。私たちが選んだ“宿命”と、曲げることのできない“運命”とを、誰が区別できただろうか。誰が間違った予言を口にし、誰が真実の預言を断言できるのか。それ故、私はガルズのことを胸の内にしまっておくことに決めたのだ…。彼は本当に“万物の創造主”の密使なのか、それとも、私たちの幻覚・幻影だったのか…。どんなことが起ころうと、起きるがままに任せよう、そう、私は自分に言い聞かせたのだ!」
 エンキは頭を垂れて頷きながら、弟の言葉に耳を傾けた。
「第1の地域は荒れ果て、第2の地域は混乱し、第3の地域は傷ついた。“二輪戦車の場所”はもう無い。それが、起こったことだ!」
とエンキはエンリルに言った。
「それが“万物の創造主”の御意思なら、それが我々の地球特命ミッションに残されたことなのだ。マルドゥクの野望によって種は蒔かれた。そこからどんな作物が生じようと、彼が刈り取れば良いのだ!」
とエンリルはエンキに言うと、マルドゥクの勝利を認めた。
「50の地位はニヌルタにやるつもりだったが、マルドゥクにくれてやろう。マルドゥクには、荒廃した第1の地域の覇権を宣言させよう。私とニヌルタだが、彼の行く手を塞ぐつもりは無い。私たちは海の向こうの土地(南米)へ旅立ち、ニビルのために金を入手するという特命ミッションを完了するよ!」
とエンリルは言った。彼の言葉には、失意が感じられた。