バビロン捕囚

■紀元前586年頃

 南王国ユダは新バビロニアに滅ぼされ、指導者層はバビロンなどへ連行され虜囚(りょしゅう)となったが、失ったエルサレムの町と神殿の代わりに律法を心のよりどころとするようになり、神殿宗教であるだけでなく法律を重んじる宗教としてユダヤ教を確立する。この出来事はバビロン捕囚と呼ばれている。後に開放されてイスラエルに帰ってくるが、彼らはただ帰ってきたのではない。かつては旧約聖書のみを信奉していた彼らが、バビロンの宗教の影響を大きく受けていたのである。それがやがてタルムードという形をとっていく。
 タルムードはユダヤ人を特別な選民であると強調し、自分達だけが人間で、他の民族ははるかに下等の者であると繰り返し述べている。タルムードは他の民族、すなわち異邦人をゴイムと言っているが、それは単なる動物という意味ではなく、彼らの軽蔑する「豚」という響きを持っているのである。この時のタルムードを基礎とする信奉者が、やがてファリサイ派となっていく。このファリサイ派は捕囚時代に200〜300人の識者によって結成された秘密結社であり、後にユダヤ人のサンヘドリンを乗っ取っていく。