台湾から太平洋の島々へ広がったオーストロネシア語族

台湾から太平洋の島々へ広がったオーストロネシア語族--------------------------------------------

 この頃から、オーストロネシア語族(ごぞく)が台湾から東南アジア島嶼部(とうしょぶ)、太平洋の島々、マダガスカルに広がり始める。かつてはマレー・ポリネシア語族と呼ばれていたが、台湾原住民諸語との類縁性が証明された。この台湾原住民の諸語が言語学的にもっとも古い形を保っており、考古学的な証拠と併せて、オーストロネシア語族は台湾からフィリピン、インドネシア、マレー半島と南下し、西暦5世紀にインド洋を越えてマダガスカル島に達し、さらに東の太平洋の島々に拡散した。ただしパプア・ニューギニアの大部分(パプア諸語)とオーストラリアの原住民の言語(オーストラリア・アボリジニ諸語)は含まない。

 オーストロネシア語族は1000個前後の言語から構成され、西はマダガスカル島から東はイースター島まで、北は台湾・ハワイから南はニュージーランドまでと非常に広く分布している。近代のインド・ヨーロッパ語族の拡大まで、最大の範囲に広がる語族であった。しかし範囲の広さに関わらず言語間の類縁性がきわめて高く、語族として確立している。
 話者が最も多いのはインドネシアである。現代の台湾では中国語の影響が強く、原住民言語は消滅する傾向がある。日本にもオーストロネシア語族を話す集団がやってきたことが考えられており、シベリアから南下した言語集団と南方系の言語集団が縄文時代に日本列島で出会い、混交したとする説が唱えられている。