エンリルに与えられたガルズの預言

エンリルに与えられたガルズの預言---------------------------------------------------------------------

 マルドゥクがアムンになった後、第2の地域のエジプトの王権は崩壊し、無秩序と混乱が蔓延していた。アガデが全滅させられた後、第1の地域でも同様だった。王権は「神々」の都市と人間の都市を転々とした。そこで、エンリルはアヌに相談し、王権をナンナルの手に預けた。彼の土地ウルクに、3度目の王権が授けられた。ナンナルは人間たちの“正しい羊飼い”を任命し、ウル・ナンムと呼ばれた。彼は国に安定と反映をもたらした。

 エンリルが夢物語を見たのは、そんな時のことだった。天空のように明るく輝く1人の男が現れた。エンリルのベッドの側に立つと、白い髪をしたガルズだった。彼は左手にラピスラズリの石板を持ち、その上には天空が描かれていた。天空は12の星座によって分けられ、ガルズはそれらを右手で指し示した。彼は牡牛から牡羊へと指を移動させた。それを3回繰り返した。それからこう言った。
「慈愛と平和の正しい時代に、悪行と流血が続くだろう。天空の3つの部分で、マルドゥクの牡羊がエンリルの牡牛に取って代わる。“最高神”を名乗った者が、地球の覇権を奪うだろう。“宿命”によって定められ、かつて無い大惨事が起きる!大洪水の時のように、正しく立派な人間を選ばなければならない。彼と彼の種子によって、“万物の創造主”が意図されたように、文明化した人類が維持されるのだ!」

 エンリルが目覚めると、ベッドの脇にその石板が置かれていた。彼は、誰にもそのことを話さなかった。ただし、天体の大家たちに尋ねることにした。神託の神官ティルフ(テラ)はエンリルに示した。
「ウリム(ウル)にあるナンナルの神殿へ行き、天体の時間を観測されよ。地球の72年が1つの“空の分け前”の長さです。3つの推移を注意深く記録するのです」
と言い、預言された時をエンリルに教えた。彼はアルバカドの孫イブルの子孫で、ニブル・キで6代続く神官であり、娘たちはウリム(ウル)の王たちと異種結婚していた。地球の総督エンリルでさえ、人類の神官に頼るようになってしまった。

 “空の分け前”とは、歳差運度の角度1度に相当する年数で72年。なお、72という数字はルカ書(10章1節)においてイエスが72人を任命し、すべての町や村に2人ずつ遣わされたことの原型である。
 御神託は前兆を探して天を観測することと混ぜ合わされ、後に、次第に対立する神々の両陣営に人類が引き込まれていくにつれて、預言が重要な役割を果たし始めた。言い換えれば、神々のエゴに人類が翻弄されるようになった人類が、そのエゴを背負わされたということである。