イナンナ一族とマルドゥクの戦い

イナンナ一族とマルドゥクの戦い------------------------------------------------------------------------

 イナンナは、彼女の“空の船”でエンキの息子たちの領土を侵犯(しんぱん)した。彼女はマルドゥクに戦いを挑み、ニナガルとギビルの領土まで彼を追跡した。ニヌルタ(アラム・ムル)が援護し、“嵐の鳥(空中戦闘機)”から敵の要塞(ようさい)に破滅的なビームを照射した。イシュクルは、空から灼熱の稲妻と粉砕する嵐で攻撃した。彼はアブズで川から魚を押し流し、草原の牛を追い散らした。

 マルドゥクはエクル(エジプトのピラミッド)の方へと逃げた。彼を追って、ニヌルタ(アラム・ムル)は居住地に毒入りミサイルを雨嵐のように降らせた。彼の“引き裂く武器”は人々の感覚を奪い、川の水を運ぶ運河は血に染まった。イシュクルの光輝が、夜の闇を燃え立つ昼に変えた。
 そして、マルドゥクはとうとう、エクル(ピラミッド)の中に逃げ込んだ。ギビルは目に見えないシールドを張り巡らし、ネルガルはすべてお見通しの目を空の方へ上げた。向きをつけた角によって、“光輝の武器”でイナンナは隠れ家を攻撃した。祖父マルドゥクを守ろうとしたホロン(ホルス)は、その光輝で右目を負傷した。イギギと手下の大勢の地球人をティルムンの向こうでウツが寄せ付けずにいる間、エクル(ピラミッド)ではアヌンナキ同士が戦いあった。「マルドゥクに降伏させよ!」エンリルがエンキにそう言った。「兄弟同士で話し合いなさい!」とニンフルサグが言った。
 エクル(ピラミッド)では、マルドゥクが最後の抵抗を続けていた。その滑らかな側面により、イナンナは攻略しあぐねていた。その時、ニヌルタ(アラム・ムル)が秘密の出入り口、北の側面の回転する石を見つけた。そこから真っ暗な廊下をニヌルタ(アラム・ムル)は潜り抜け、広い回廊に辿り着いた。そのアーチ型の天井はニビルの水晶の色とりどりの放射で、虹のように輝いていた。中ではマルドゥクが武器を持って待ち構えていた。ニヌルタ(アラム・ムル)は武器で応戦し、水晶を砕きながら回廊を進み続けた。上の部屋、“巨大な脈動する石”の場所へマルドゥクは後退し、その入り口でスライド式の石の錠を下ろした。
 イナンナとイシュクルがニヌルタ(アラム・ムル)に続いて進入し、彼らは次の手を考えた。「あの部屋をマルドゥクの石の棺としよう!」とイシュクルが提案した。彼は遮断用の石が3つ、いつでも下に滑ってくるよう準備されていることに気が付いた。「生きながらにして葬られる、ゆっくりとした死をマルドゥクに宣告しましょう!」とイナンナは同意した。彼らは回廊の端で、その遮断用の石を解き放ち、マルドゥクを墓の中に封印した。

 ニヌルタ(アラム・ムル)とイシュクルは軍神であり、イナンナは戦う女神である。また、ホルスが右目を負傷した話の原型はここで登場する。ホロンの右目が、イナンナの“光輝の武器”によって負傷したのである。
 もともとピラミッドの内部はニビルの水晶などで覆われ、虹のように輝いていたのである。こうしてピラミッドはマルドゥクの墓と化してしまった。