恐怖の武器と過去と未来

過去と未来---------------------------------------------------------------------------------------------------

「“恐怖の武器”を使わなかったら、別の事態になっていただろうか?」
 エンキは弟に食って掛かった。
「ニビルに戻るなというガルズの言葉に、我々は従うべきだったのか?地球ミッションは、アヌンナキが反乱を起こした時に打ち切るべきだったのか?私は私のすることをして、君は君のすることをした。過去は、もう取り返せないのだ!」
とエンリルが言い返した。
「そこにも教えは隠されているのではないか?」
エンキは自分自身とエンリルに問いかけた。
「地球で起きたことは、ニビルで起きたことを映し出しているのではないか?過去の物語の中には、未来の輪郭が記されているのではないか…。人類は我々の姿に似せて創造された。我々が達成したことや失敗したことを、繰り返すのだろうか?」
 エンリルは黙っていた。彼が立ち去ろうとすると、エンキは腕を差し出した。
「兄弟として、共に異国の惑星での難問に立ち向かった同志として、肩を組もうじゃないか!」
 エンキはエンリルにそう言った。エンリルは兄の腕をしっかりと掴み、彼を抱きしめた。
「また会えるかな、地球で、あるいはニビルで?」とエンキは尋ねた。
「ガルズは、ニビルに行ったら死ぬと言っていたが、本当かな?」
とエンリルは答えると、踵(かかと)を返して立ち去った。

 エンキは1人、後に残された。一緒にいるのは、自分の心の中の思いだけだった。すべてがそうやって始まり、今までのところ、どう結末を迎えたのか、彼は座って思いを馳せた。‘すべては“運命”だったのか、それとも、あれこれ決定したことによって形作られた“宿命”だったのか?天と地球が入れ子状の循環を規則正しく繰り返しているのなら、起こったことは、また発生するのだろうか?“過去”は“未来”なのか?地球人はアヌンナキを真似て、ニビルを追体験するのだろうか?最初にやって来た彼が、最後に去っていく彼となるのだろうか?’
 次から次へと思いが湧き上がる中、エンキは決断を下した。ニビルから始まり、地球での今日までのあらゆる出来事と決断を、記録に残すことを。“未来の世代への道標”となるように。後世の人々が、“運命によって指定された時”にこの記録を読み、“過去”を思い出し、“未来”を預言として理解してくれるように!“未来”が“過去”の審判者となるように!

 エンキは“天と地球が入れ子状の循環を規則正しく繰り返しているのなら”と仮定しているが、規則正しい循環であれば、何も進化しない。螺旋のように上昇する循環でなければ、進化はしない。規則正しい循環は、シンボルで表せば二つ巴(ふたつどもえ)。陰陽が拮抗し、その場で堂々巡りである。これが三つ巴(みつどもえ)となって、初めて上昇する。と同時に、下降も始まる。どちらになるかは、人類次第である。人類はその両方を選択し、あわや下降が上昇を打ち負かすところであった。
 しかし、降臨があって、三つ巴から神宮の花菱へとなった。神の戦車メルカバーとなり、中心に救世主がいて、ようやく完成形となった。つまり、神宮は降臨する神々を迎える宮だった。
 更にそれが4つ集まったのが、縄文以来の封印を守ってきた諏訪大社(すわたいしゃ)である。4つの宮に立つ4本の柱がそれを表し、十六花弁八重表菊紋を暗示していた。御柱(おんばしら)のハシラはアシェラ由来で、それはイナンナの暗示。十六花弁八重表紋菊は元々イナンナのシンボルである。