イナンナへの愛情

イナンナへの愛情-------------------------------------------------------------------------------------------

 決定が下されると、アヌはマルドゥクのことを尋ねた。「もう一度、彼に会わねばならぬ。ドゥムジとニンギシュジッダをニビルに招いたことで、マルドゥクの憤怒は私自身が招いたのかも知れぬ」とアヌは言った。彼は、マルドゥクへの刑罰を考え直すことを願った。アヌは、マルドゥクが海の向こうの土地にいることをエンリルから聞いた。
 その遠い土地へ行く前に、アヌ夫妻はエディンを視察した。エリドゥで、エンキが“メ”を独り占めしていることを、エンリルは不満として述べた。アヌは、“メ”を分かち合うよう、エンキに言った。
 ウヌグ・キ(ウルク)では、若いアヌンナキが挨拶に参上した。アヌはとりわけ、イナンナが気に入った。そして、その場所と自分たちが地球を視察するために使う船を、イナンナに持参金として与えることを宣言した。イナンナは喜んで、踊り歌い始めた。彼女のアヌへの讃歌は、やがて聖歌として口ずさまれることになった。


 この大神アヌに対するイナンナの讃歌が、後の聖歌となったが、さらに大神アヌの前で歌い踊る様は、岩戸に隠れた(天照)大神の前で歌い踊る天宇受売命(アメノウズメノミコト)の原型である。イナンナは愛と美の女神であるが、歌舞の女神でもある。シッパールが完成した時にも、彼女はアヌの前で歌い踊った。