マルドゥクの支配権宣言と恐ろしい決定

マルドゥクの支配権宣言と恐ろしい決定---------------------------------------------------------------

 イブル・ウム(アブラハム)がハランを出発するやいなや、マルドゥクがそこにやって来た。彼も神聖を汚す行為を目にしてきたが、それは“新しい秩序”の生みの苦しみだと見なしていた。彼はシュメールの入り口であるハランから最後の突撃を計画し、イシュクルの領地の端に位置するハランから、軍勢の召集を命じた。ハランに逗留(とうりゅう)して24地球年が経過すると、降りて来た他の「神々」に手当たり次第、マルドゥクは涙ながらに懇願した。彼は自分の非を認めたものの、支配権を強く主張し、こう言った。
「おお、ハランの神々よ、裁きを下す偉大なる神々よ!私の秘密を聞いて欲しい。私はベルトを結びながら思い出すのです。私は神マルドゥク、偉大な神、わが領地エジプトではラーとして知られている。私は罪を犯して追放され、山岳地帯へ行き、多くの国をさ迷った。太陽が昇るところから、太陽が沈むところまで行った。そして、イシュクルの領地へ私はやって来た。24年間、私はハランの真ん中に巣篭もりし、その神殿で神託を求めた。いつまで待つのか、私は自分の支配権について、神官に尋ねた。あなたの追放の日々は終わった、とそう言った。ですから、宿命を定める偉大な神々よ、自分の都に向かって進路を取らせてください。我が神殿エサギルを終の住み処とし、バビリの王を任命させてください!私の神殿にすべてのアヌンナキの神々を集め、私と協定を結んでください!」
 マルドゥクはこのように、他の「神々」に彼の時代の到来を宣言した。

 自分たちに服従を迫るマルドゥクに、アヌンナキの「神々」は動揺した。エンリルはニブル・キ(ニップル)の指導者全員を会議に招集した。エンキとマルドゥクの兄弟たちもやって来た。

 この出来事には全員が不安を感じ、彼らは皆、マルドゥクとナブに反対した。議会では責める声が蔓延(はびこ)り、部屋中で非難合戦が繰り返された。しかし、
「いずれ来ることは誰も阻止できない。マルドゥクの最高権力を承認しよう」
とエンキだけが助言した。
「牡羊の時代が来るというのなら、マルドゥクから“天と地球を結ぶもの”を剥奪してしまおう!」
とエンリルは怒って提案した。すると、エンキ以外の全員が、“二輪戦車の場所”を壊滅させることに賛成した。そして、エンキの息子ネルガルが“恐怖の武器(核兵器)”を使用することを提案した…。エンキだけが反対し、この事がアヌに伝えられた。アヌは、彼らの意見に同意した。
「運命付けられていることを、自分たちの判断で無きものにしようとしても失敗するぞ!」とエンキは言って、立ち去った。邪悪なことを実行するために、ニヌルタ(アラム・ムル)とネルガルが選ばれた。