マルドゥクの独断的宣言

マルドゥクの独断的宣言-----------------------------------------------------------------------------------

 第1の地域シュメールでは、都市間の持ち回りで王権を担当したが、第2の地域エジプトでは、そのような多様性は認められず、1つの都市だけで統治することをラー(マルドゥク)は望んだ。神の一番上の子、地球における第一子、彼は神官たちにそう知らしめたかった。最古の時代から第一位、彼は賛美歌でそのように歌わせた。永遠の王、永遠を作りし彼、すべての神々を率い並ぶ者の無い者、偉大なる唯一無比の者!

 こうして、マルドゥクはラーとして、あらゆる「神々」の上に自分を君臨させた。彼らの力と属性を、勝手に我が物のように語った。
「私はエンリルとして支配権を持ち、法令を司り、ニヌルタ(アラム・ムル)として鍬(くわ)と戦闘を司る。イシュクルとして稲妻と雷を司り、ナンナルとして夜を照らし、ウツとして昼を照らし、ネルガルとして冥界を統治する。ギビルとして黄金の奥深さを知っており、どこから銅と銀が産出するのか、私が発見した。ニンギシュジッダとして数とその数え方を私は命じ、天は私の栄光を示している!」
 このような宣言に、アヌンナキの指導者たちは動揺した。マルドゥクの兄弟たちはエンキに伝え、ネルガルはニヌルタたちに自分たちの懸念を伝えた。
「お前は一体、何に取り憑かれているのだ?お前の主張は、無法にも程がある!」
とエンキがマルドゥクに言った。
「天が、天が私の覇権を示しているのです!エンリルの星座、“天の牡牛”は彼の子孫によって惨殺された。天では私の時代、“牡羊の時代”がやって来るのです。その前兆に、疑いの余地はありません!」
とマルドゥクは答えた。

 シュメールのエリドゥの住まいでエンキは星座を調べ、1年の始まりである立春の日に、日の出の方角を注意深く観察した。その日、太陽は牡牛座の間に昇って来た。ニブル・キとウリムでエンリルとナンナルが観測し、“下の世界”ではネルガルがその結果を裏付けた。まだエンリルの牡牛の時代で、牡羊の時代はまだ先だった。しかし、マルドゥクは主張を曲げなかった。彼は自分の領地に使者は送らず、息子ナブの力を借りて、人々にラーの時代がやって来ると発表した。
 これに対抗するため、指導者たちは人々に空の観測の仕方を教えるよう、ニンギシュジッダ(トト)に頼んだ。彼は知恵を働かせ、石の建造物を考え出し、ニヌルタとイシュクルが建造を手伝った。それはあちこちに設置され、彼らは人々に空の観測方法を教えた。そうして、太陽がまだ牡牛座の位置にあることを示した。エンキはこれらの成り行きを悲しい気分で見守り、如何にして“宿命”が正当な秩序を捻じ曲げるかに思いを巡らせた。「アヌンナキは自らを神と宣言した後、むしろ、人類からの支援に依存しているのだ!」

 マルドゥクは勝手に自らが最高神であることを宣言した。これが元となって、聖書の唯一絶対神ができた。またイスラム教の唯一神“アッラー”は“ラー”を含むので、マルドゥクということである。1日に5回も礼拝を強要するのは、如何にもマルドゥクというところである。