太陽を抱くマリア像

太陽を抱くマリア像----------------------------------------------------------------------------------------

 生殖器を崇拝する概念、また聖母崇拝が異教徒を虜にし、ローマは人々の官能に訴えるこの方式を取り入れた。

 シストルムと呼ばれたこの楽器は、異教女祭司のダンスに於いて使用された。エジプトのカルトに於いて天の女神イシスが、そのシストルムを持っている。

 イシスはこう述べている。
「われイシスは、いにしえの昔から存在し、これからも永遠に存在する者である。死すべき人間がかつてわがベールを剥いだことはない。われは太陽という子を産んだ」。
 イシスの子はホラス(ホルス)と呼ばれている。このイシスとホラス(ホルス)の絵には、彼女が後光の真ん中に立っており、その周囲には黄道帯が見られる。彼女の子は太陽神である。バチカンへ行くと、巨大なマドンナの象徴が聖ペテロ寺院の中に見られ、彼女は赤ん坊を腕に抱いている。キリスト教の描いたマドンナ像の赤ん坊もまた、太陽なのである。

 母と子が神であるというこの寓話(ぐうわ)的概念は、エジプトにも、インドにも、東洋にも見られる。日本も中国もそれぞれ独自のマドンナ、聖母と、子の象徴を持っていた。

 イシスの概念はローマ帝国のいたる所で見られた。教会に於いては、この概念が、マリヤと赤ん坊イエスとして取り入れられた。今日の教会で、マリヤとイエスの像を見ると、キリスト教に先立つ古代の偶像礼拝の反映であることが分かる。


 子供だけの像も異教に見られるが、教会にも幼子イエスの像が、それ自体神として拝まれている。

 メソポタミア時代のこの境界石には、太陽神シャマッシュ(アッカド人の太陽神)が刻まれている。シャマッシュは天の子宮である三日月から生まれたと言われている。紀元前2500年頃の円筒印章にそれが見られる。三日月の中に太陽が、または女性の中に男性が、という概念を表わしている。

 このミトラの祭壇や、このエジプトの宝石には、三日月形の中に置かれた太陽のディスクが見られる。

 インドでも三日月の中に入ったディスクをいたる所で見ることが出来る。星印・アステリスクは、ギリシャに於いて太陽のシンボルであった。ここでは三つの三日月の中に、三つのアステリスクが見られる。

 このメソポタミアのレリーフには、三日月の中に太陽神が描かれている。ローマ・カトリックの聖体顕示台(せいたいけんじだい)も、三日月の中にディスクがある。聖体顕示台の多くは三日月の中に聖餐のパンが置かれる。多くの聖体顕示台には、聖餅を入れる為の三日月形がある。それは男性と女性の性的結合を表わしており、こうして生殖の法則が礼拝の対象となっていながら、人々はそのことに気が付いていないのである。

 礼拝堂のこの小さな扉の上には、秘跡(サクラメント)の道具が置かれている。杯の周りに麦と葡萄(ぶどう)があるが、これは自然の神を崇拝するものである。その神の名はディオニュソスという酒の神、バッカス(ニビルのエンキ)とも言う。


 ローマに於いて自然の神々は、しばしば葡萄(ぶどう)やシュロの葉を持った、山羊のような人間として描かれた。太陽神礼拝には葡萄酒(ぶどうしゅ)を飲む儀式もある。それは神の血であると考えられていた。

 メキシコでは太陽神への供え物として、メースという香料が作られ、人々がそれを食べた。エジプトに於いては神への献身の表明として、人々が聖餅(せいへい)を食べた。またギリシャでは生殖の法則を祀り、神々の聖餐に於いてこれらの聖餅が食された。ギリシャのアクロポリスでは、大祭司が三人の剛健な男たちに雄牛(おうし)を持って来させた。大祭司は聖餅(せいへい)を焼き、それを祭壇の上に置いた。雄牛にそれを食べさせてから、雄牛を屠(はふ)り、それから皮を剥いだ。人々はおのおの雄牛の肉と血を食するよう促された。それから皮に穀物を詰め込み、人々は再び雄牛の身体を裂いて、その穀物を食べた。それは彼らの体内に繁殖力を取り入れることを表わしていた。