マハーバーラタとアヌンナキ

マハーバーラタの武器に関する記述-------------------------------------------------------------------------------------------

 マハーバーラタで使用された武器はアグネアと言い、「神々」ですら抵抗できない究極兵器とされている。その部分の記述はこうである。

“すべての敵に狙いを付けた恐怖の火の矢は、ついに天空に放たれた。煙を伴わない火を噴く矢である。敵は恐怖に駆られ、四方に逃げようとしたが間に合わず、ついにアグネアは敵を捉えて落下し始めた。そして、炸裂した瞬間、太陽を1万個集めたほどの未曾有の光が敵軍を呑み込み、煙と火が絡み合った光り輝く柱がそそり立った。そして、凄まじい風が巻き起こってすべての敵を襲った。太陽が揺れ動く中を鳥が逃げまどうが、生き残ることはできない。戦場は巨大な炎に包まれ、象たちは焼け焦げ、必死に逃げ道を探すが見つからない。異常な熱は大地を舐め尽くし、業火は血の雨となって降り注ぎ、すべての敵を木々のように焼き滅ぼした。そして、濃い闇が太陽を覆い、恐ろしい血のような暗雲が立ち上り、天を覆った。…”

“地に残されたのは、焼け焦げた死体と残骸だけである。鳥は白くなって転がっている。木々は灰になり、器は変形し、溶けてしまっている。食料は毒で食べられず、死体の髪と爪は抜け落ち、遺体は損傷が激しく、男女の見分けはつかない。運良く炉心から逃げ延びた兵士は、水で装備を洗った。…”

 あたかも見てきたような、極めて写実的な描写である。この記述を現代的に解釈すると、まさに原爆や水爆の爆発そのものである。
 次にラーマーヤナでは、ラーマ王子がシータを魔神から取り返す部分である。戦いに使用された天界の武器ブラマダッタは1つではなく、兵器群である。これらは現代兵器に匹敵するものであり、()内は対応すると思われる現代兵器である。

・アラクシャ(高速ロケット)、ヴァルシャナ(気象兵器)、ショーシャナ(気象兵器)、ソウマンヴァ(神経ガス)、シャブダヴェディトヴァ(音波探知ロケット)、カマルチ(巡航ミサイル)、ムルチナダーナ(感覚遮断兵器)、パイシャ・アストラ(地対地ミサイル)、トヴァシュトラ・アストラ(創造神の兵器、核兵器)、サムヴァルタ(時を左右する兵器)。

 中でも、創造神の兵器であるトヴァシュトラ・アストラは金属を溶かすほどの超高熱と凄まじい光で、30万もの兵士を焼き殺すとある。そのような兵器は、現代に於いても、核兵器以外にあり得ない。アストラには2種類あり、1つはナラ・アストラで、もう1つはナリカ・アストラである。
 ナラ・アストラは巨大な金属の筒に覆われ、封印された最終兵器であり、軍人が毎日点検しなければならないとされている。ナリカ・アストラは、兵士が携帯する先の割れた小型の円筒型タイプと、車輪で移動する大型タイプがある。さしずめ、ナラ・アストラは核弾頭であり、ナリカ・アストラは移動式小型核である。
 ラーマ王子はこれらの兵器により、勝利を収めた。その様子をラーマーヤナでは、“河川を変え、星を天から落とし、大地を海中から持ち上げ、あらゆる生物を殺した”とある。

 アストラはマハーバーラタにも登場しており、人類最終兵器とでも言うべきものがブラフマー・アストラである。創造神の名を冠しているように、これは天界の兵器であり、ラーマーヤナのトヴァシュトラ・アストラに相当するものである。また、アグネアと同じものであると思われる。雷神インドラがアルジュナに与える時、人間に対しては決して使用してはならないとされた、禁断の兵器である。この場面は、エンリルがニヌルタに注意を促した場面そのものである。しかし、卑劣な攻撃に怒ったアルジュナは、敵が放ったブラシマシルを迎撃するため、ついにブラフマー・アストラを放った。両方の兵器が炸裂した瞬間、天空に巨大な火の玉が出現し、全世界が閃光に巻き込まれ、轟音が響き渡り、無数の流星が地上に降り注いだ。と同時に爆風が吹き荒れ、世界は破滅寸前となった。しかし、英雄神クリシュナが立ち上がり、灼熱の爆風を消滅させ、人類は救われたのである。

 この話はいずれも骨子(こっし:要点)に於いて、主人公が策略により追放されて放浪した後、戦いに勝利して話は終わる。似たようなアヌンナキの話があるので、内容を照らし合わせる。

・セトの策略によりオシリスを殺されたイシスは、子ホルスを連れて逃げた。しかし、ホルスまで毒殺されたが、トート神の魔術によって復活した。成長したホルスはセトと戦い、ホルスはオシリスの玉座に返り咲いた。(エジプト神話。)

・サツとシャムガズの策略によりアサルを殺されたアスタは、子ホロンを連れて逃げた。ホロンは大叔父ギビルに引き取られ、復讐のために必要なことを指導された。時が満ちると、サツがホロンに挑戦状を叩きつけた。2人の戦いは、ホロンが負けそうになったが、ニンギシュジッダの援護により“猛火の柱”を打ち込み、ホロンは勝利した。(エジプト神話の真相。)

・ドゥムジをマルドゥクの策略によって失ったイナンナは、マルドゥクに戦いを挑んだ。ニヌルタが援護し、“嵐の鳥(空中戦闘機)”から敵の要塞に破滅的なビームを照射した。イシュクルは、空から灼熱の稲妻と粉砕する嵐で攻撃した。ニヌルタは居住地に毒入りミサイルを雨嵐のように降らせた。彼の“引き裂く武器”は、人々の感覚を奪い、川の水を運ぶ運河は血に染まった。イシュクルの光輝が、夜の闇を燃え立つ昼に変えた。そして、マルドゥクはとうとう、エクルの中に逃げ込んだ。ギビルは目に見えないシールドを張り巡らし、ネルガルはすべてお見通しの目を空の方へ上げた。向きをつけた角によって、“光輝の武器”でイナンナは隠れ家を攻撃した。祖父を守ろうとしたホロンは、その光輝で右目を負傷した。最終的に、マルドゥクはピラミッドの中に生きたまま葬られ、ニンギシュジッダによって救い出された後、追放された。(エジプト神話の真相。)

・エンリル一族との戦いに敗れたマルドゥクが追放されて放浪した後、全アヌンナキに君臨する神であると宣言したことが原因となり、両者の間に核戦争が勃発した。ニヌルタとネルガルが、マルドゥクに煽動された5人の王が支配する5つの都市を核攻撃した。その“死の灰”はマルドゥクが支配権を主張した土地バビリを除くシュメール全土を覆い、最終的にマルドゥクが主神として君臨した。

 ラーマーヤナとマハーバーラタはこれらの話が基となって創られた。ラーマーヤナはエジプト神話と真相に、マハーバーラタは核戦争に似ているが、必ずしも完全一致しているわけではなく、部分的に混合している。つまり、大筋に於いてアヌンナキの戦いについて描写されているものの、改竄されていることが解る。





Hiloyuki Kubota/久保田 啓敬