エジプトの座位分娩(ざいぶんべん)

エジプトの座位分娩(ざいぶんべん)----------------------------------------------------------------------

 エジプトのコム・オンボ神殿に、婦人科に使われた医療器具のレリーフが残されている。当時の出産は座位分娩(ざいぶんべん)であった。
 日本では昭和の中頃まで、出産は自宅で行われるのが一般的で、分娩(ぶんべん)は座って行われるのが普通であった。これは妊婦の体に良い、楽な姿勢だったためである。妊婦の座る部分の畳をあげ、藁(わら)などを敷き、また天井から綱を吊るし、それにつかまって出産をすることもあった。
 現在の出産は、病院や助産院の分娩台の上で行われるのが一般的である。妊婦はその上に仰向けになり、両足を広げる「仰臥位(ぎょうがい)」と呼ばれる体勢になる。これは欧米の産科学の普及に伴い導入されたもので、妊婦自身の産みやすさよりも、分娩を助ける産科医の利便が重視されている。