イナンナをめぐるエンメルカルとアラタ(インダス地方)の抗争

■紀元前2850年頃

イナンナをめぐるエンメルカルとアラタ(インダス地方)の抗争------------------------------------

 この頃、“エンメルカルとアラタ(インダス地方)の抗争”が始まった。これはウルクの統治者エンメルカルと、アラタの王(名前不明)との間に起きた権力闘争と、“女神との愛”にまつわる物語である。

 この抗争は、イナンナの権力拡大と共に起きたものだった。イナンナが遠い地アラタ(インダス地方)に住むか、あまり知られていないウルクに滞在するかを決めかねており、これがエンメルカルとアラタ(インダス地方)の女神招聘(しょうへい)合戦へと発展したのである。
 その最終的な目的は、イナンナがどちらに住むかということではなく、どちらの王と“愛の契り”を結ぶか、ということだった。イナンナは最終的にウルクへ移ったが、冒険好きな旅行者イナンナは“アラタ(インダス地方)の彼女の家”も見捨てなかった。
 このような密通は、イナンナの両親のみならず、双子のウツの不興も買ってしまった。ウツに叱責されたイナンナは、こう述べた。「それなら、誰が私の性欲を満たしてくれるの?私のアソコの小さな丘を、どなたが耕してくれるの?私のアソコは濡れた畑。どなたが牛を入れて下さるの?」
 これに答えてウツは言った。「おやおや、淑女ともあろう者が。ドゥムジが、立派な種を持っている。お前のために、耕してくれるさ」