マイヤー・アムシェル・ロスチャイルド

■1760年

 ドイツのハノーヴァー(ハノーファー)のオッペンハイマーが所有する銀行で、マイヤー・アムシェル・バウアーは10年間修行する。そこで彼は大きく成功し、ジュニア・パートナー(パートナーシップにおける立場の低いメンバー)になる。銀行で働いている間、彼はエストルフ将軍と知り合いになっている。エストルフ将軍とはカルル・ビュルデスというヴィルヘルム1世の財務官を通じて近い関係になっている。ビュルデスもロスチャイルドも野心家であり、徹底的に頑固で、忍耐強く、人目につかないことを好む点で似た者同士で、意気投合し、相互援助の協定を結んだ。

 マイヤー・アムシェル・バウアーの父親が亡くなり、バウアーは父親のビジネスを引き継ぐためフランクフルトへ戻る。バウアーは、赤い看板の重要性を認識し、バウアーからロスチャイルドに名前を変更する。その後、出入口のドアの上に666を示す赤い看板を垂れ下げる(レッドはドイツ語で腐る、サインはドイツ語でシルト)。

 名前を変えたマイヤー・アムシェル・ロスチャイルドは、エストルフ将軍(Emmerich Otto August von Estorff)がドイツのハーナウのヴィルヘルム1世 (ヘッセン選帝侯)の宮廷にいることを発見する。そして彼は将軍に、価値のあるコインや装飾品を割引の値段で売ることを口実に、再び近づく機会を作った。
 彼の計画では、ロスチャイルドは続いてヴィルヘルム1世に自分を紹介し、珍しいコインや装飾品を割引いた値段で提供して満足させ、またロスチャイルドは王子においしい話を提供する。そうしてロスチャイルドはヴィルヘルム1世と親しくなり、宮廷のメンバーとも取引を始める。