リラの崩壊

 リラ人類の進化と創造の歴史は、究極の発展を遂げる中で愛と真理のバランスを崩し、宇宙創造神の聖域を侵してしまった。そのためリラ文明は、自ら予期しなかった文明崩壊の危機を招くこととなった。
 それはある日、リラ星の深層部に巨大な炎が出現し、それが恐ろしい大爆発を引き起こした。巨大なリラ星は爆発して粉々になり、その膨大な破片はさまざま な速度で回転しながら宇宙中に拡散してしまった。そして、大災害の起こる前のリラ星のあった場所には、炎を噴出する不動の巨大な火の玉だけが残された。そ れが、地球人が太陽と呼ぶ星である。爆発して粉々になったリラ星の欠片(かけら)はこうして宇宙空間を移動し、それが惑星や衛星になった。そして何億年も かけて、それらは互いにひき付け引き寄せ合いながら、新しい銀河を形成していった。破壊されたリラ星の一番大きな欠片は、太陽から何十万光年も離れた場所 まで飛ばされてしまった。しかしその欠片に存在していた幾つかの街は難を逃れ、そこにいた住人も生き残った。そこにあった小川や一部の湖、そして数種類の 植物も破壊されずに残ることができた。  12の種族から成り立っていたリラ種族のうち、ルシエルとオリオンという2種族が、リラ文明の神官ヤハウェの意に反し、リラ文明を破壊してしまった種族 である。リラ星の崩壊に向けては、2種族の間で意見の対立があった。この2種族は、ルシファー(ルシエル)とオリオン種族の先祖ともなるが、ルシファー種 族の破壊的な行動をオリオン種族は止めることができず、真理探求を科学に偏重することで宇宙創造神の愛を見失い、極限に達した科学技術を乱用して大爆発を 起こし、リラ星自体を崩壊してしまったことが、そもそもの始まりである。
 この2種族は、その後、銀河宇宙史に繰り広げられた悲惨な宇宙戦争のカルマ発生の起源となってしまう。地球人類の争いの歴史というのは、それが投影されたものである。崩壊と同時に発生したカルマ清算の苦悩が、ここから始まることとなった。
 大爆発の後、膨大な星の破片が宇宙に散らばっていった。そして何億年もの時間が経つにつれて破片は引き寄せ合い、新しい銀河を形成していった。リラ星人 は、その大爆発の起きる数世紀前から宇宙旅行を始めていたが、大爆発が引き起こした暗闇を克服し、欠片となった新しいリラ星が始めた自転運動に慣れ、太陽 の誕生が引き起こしたその恐ろしい大激変から立ち直るまでには、多くの月日を必要とした。そしてリラ星に変わる新たな星であるベガ星での復興がようやく完 了すると、彼らは宇宙旅行を再開した。それはまだ宇宙をさまよっているはずの、リラ星の欠片を探すためだった。毎日のように、飛び散った欠片を見つけた が、それらはあまりにも小さく、ベガ星人が入植することはできなかった。その後、惑星に姿を変えた大きめの欠片を幾つか発見すると、そこに入植するように なった。こうして長い長い歳月が流れ、ベガ星人は新しい星を探し、生活が可能な惑星に入植し続けてきた。