リラ星の町並みと建築方法

 リラ星のシーミという街には幅の広い道路が通り、平屋建てと二階建ての住居が立ち並んでいた。建物はすべて巨石のブロックでできている。その巨石は余り にも大きいので、ブロック一枚で家の壁面が築けるほどであった。ベガ星人はその能力を最大限にまで進化させることができ、その成果の一つが、重力除去の能 力である。つまり巨石から特定の重力を排除することができれば、指定した場所に簡単に運び入れることができる。それだけでなく、<分解> と<融合>のテクニックを使って運搬することもできる。しかしこの方法は特別な場合にのみ用いる。重力除去のほうがより便利である。それは重 力除去された巨石の山が、まるで風に飛ばされているかのように、一つの場所から別の場所へと宙を舞っていくからである。

 リラ星人は球体のマシンや空飛ぶ円盤のようなマシン、超小型の飛行機などを持ち、それらのマシンはすべて地面から数メートルの高さを飛びながら、エア ジェットのようなものを噴出する。そのエアジェットは、石や潅木(かんぼく)などの雑物を消してしまえるほど強力なもので、マシンが通過した後には地面に は何も残らない。このようにして数百キロ平方の広大な平原が、スタジアムのように何もない更地に整備される。
 その後すぐそこには、完璧に加工された巨石が巧みに誘導されてくる。その巨石はまるで雪のかけらのように、設計プランに沿って、建設現場の指定された場 所に舞い降りていく。そして次第に、住居や道路が姿を現し始める。それは現代建築でいうところの二階建てほどに相当する巨大な石が、空中を舞う紙のように ゆっくりと下降していく様子であり、それをたった1人の人間が、片手と息のひと吹きで数個の巨石を操っているのである。
 これらの空中を舞い降りる石は重力が除去されている。しかし作業中に飛んでいってしまわないように、必要最小限の重量は残してあある。これはリラ星人が建設作業を行なう時に用いる方法の一つである。