リラ星の<分解>と<融合>の技術

 当初、不死の形態が発見される以前は、宇宙銀河間旅行はまれにしか行なわれていなかった。それはおそらく5万年に一度程度だった。そしてその時代には、 旅に出た者は2度とリラ星に戻って来ることはなかった。こうした旅行に用いられていた宇宙船の速度は、かろうじて光速の2倍か3倍に達する程度で、しかも 訪問先の惑星は非常に遠かったので、20歳で旅立った宇宙飛行士たちが、目的地の惑星に着く前に死亡するということもあった。当時の彼らの寿命が、地球年 齢でいうと約250歳であったとはいえ、リラ星と他の星を隔てる膨大な距離を生き続けるには不十分だった。
 その後、101万2972歳の彼らのマスターであるザイ(地球ではイエス・キリストとして知られている)が、<分解>と<融合>の技術を完成させると、 光速の100倍で飛ぶ銀河間航行用の宇宙船が造られ、そして思考の速度で宇宙を移動することも可能になった。こういった革新の前に不死の問題は克服されて いたが、これらによってリラ星人は宇宙を継続的に移動できるようになった。それ以来、他の惑星の文明は、目覚しい進化を遂げるようになった。
 こうしてリラ星の文明は非常に進み、ここに住んでいたリラ人は、宇宙探索のために宇宙旅行を行い、やがて彼らは銀河の遠い所まで広がり、たくさんの文明 を作り、多くの植民地を作ってきた。その中で、ある一つのグループが、一つの思想形態を持ったコミュニティを作りたいと考えるようになった。そういったこ ともあり、たくさんの高次の文明の存在達が集まり、新たな植民地を作った。その中で最もレベルが高かったのは、琴座人だった。




Hiloyuki Kubota/久保田 啓敬