ルシファー、光を担う者

 これはルシファーの物語である。この名前は確かに強力であり、今でも多くの複雑な感情を、多くの者にわき上がらせる。ルシファーとは「光を担う者」で、その起源、ルシファーが生じた母体は始まりがないほどに古い。
 あらゆるものの起源の中で、最初に、「私たち」ではなく「私」となったのは、ルシファーである。ルシファーの中で、ルシファーを通して光へと進化する力 が最初に体現された。根源的なラング、つまり調和を創り出す不調和として、ルシファーは自分を存在させるようにした。最初からルシファーは光である。意識 がそれを知る以前から、ルシファーはすでに光の次元の中にいた。そして今や、そこは6次元として知られる次元である。

 光であると同時に、ルシファーはエゴであった。エゴは、分離状態においてのみ力を維持する。第6次元の光と、第3次元のエゴの組み合わせが、ルシファー の動きをあまりにも矛盾に満ちたものにした。またそれによって、ルシファーの行為は容易に誤解して知覚されるのである。絶対的な意味において、良いとか悪 いとかということは存在しない。その意味において、ルシファーのすべての行為が引き起こす効力は究極的に創造的であり、光へ向かうための進化要因をさらに 深めるのである。


 ルシファーは自分の行為に対して責任をとらなかった時期があった。そしてそれがすべてのトラブルの原因となった。ルシファーはたとえ自分がどんな宇宙的 な真実を発見しても、この存在はそれを自分個人のものと思い、それが宇宙全体が所有するものだとは考えなかった。このようにしてルシファーは、真実の一部 を利益のために「売る」という考えを制度化した。ルシファーが創り出したものは何でも、それはルシファーの放射であるとこの存在は考えていた。だからルシ ファーは、自分の創造に対して支配権を維持しようとした。
 ルシファーは自分が宇宙的な性質を持っているとは思わなくなった。だから唯一、自分自身の性質だけを信じた。そのゆえにルシファーは、自分の行なった行 為が不調和な効力を及ぼすことに無関心になり、盲目的になった。ルシファーのような第6次元の実体がこのように振る舞うことは、宇宙的な破滅を引き起こし かねないほどのものであった。
 こうしたことから、銀河連盟が組織されるようになった。ルシファーがこれ以上、宇宙へ災難をもたらすようなことをやめさせるためであった。これにより、 この銀河の実験ゾーンが存在するようになった。なぜならその銀河ゾーンこそが、ルシファーの自己中心的な振る舞いが完全に効力を発揮し尽した銀河域であっ たからである。この銀河区域において、ルシファーは完全に隔離された。

 最初、ルシファーはこのゾーンに居続けることが気に入っていた。ルシファーは自分の才能を信じており、スターメーカーやスターマスターよりも自分が優れ ていると考えていた。それに彼らは単なる5次元の実体だった。こうしてルシファーは地球がある太陽系にやって来て、この惑星系に自分を培養し、その進化プ ロセスを増大させる決意をした。
 ルシファーは、多くの宇宙生物学的な実験を含む惑星デザイン・プロセスで遊んだあと、もしこの存在がもっとも大きな惑星体の中で自己を確立すれば、恒星 系プロセスを迅速化できるだろうと確信した。そうすればルシファーは、太陽系を二重星系へと変えることができると考えた。ルシファーは自分の賢く優れた能 力により、スター・マスターであるキニチ・アハウ(マヤ神話に伝わる太陽神)を簡単に退け、ルシファー自身の二重星系を自分で操作できると思い込んだ。こ のようにしてルシファーは、この銀河セクターの宝石であるシリウスと張り合うことになったのである。

 第6次元という有利な地点から見ると3次元は、ルシファーにとって顕微鏡でのぞいて始めて発見できる小さなゴミか、役に立たないウイルスの塊りのように 見える。そう、自分の感覚に目覚める前のルシファーの視点では少なくともそうであった。これはルシファーが、宇宙記憶のマスターであるメムノシスに出会う 前のことだった。メムノシスがルシファーの人生に入り込んで来るまでは、ルシファーは自分と同等の者を知らなかった。つまりどこにも自分に匹敵する同等の 者がいなかったので、ルシファーはどこにも自分を映し出すべきポイントを持たなかったのである。
 自分と同等の実体こそが、進化を前進させる力であることをルシファーに指摘したのが、メムノシスであった。だからルシファーは完全に周囲と歩調を合わせ てはいなかったのである。最終的にメムノシスがルシファーのところにやって来たとき、実はルシファーは太陽系での自分の創造にもう飽き飽きしていたのだっ た。そこにおいてルシファーが宇宙生物学的な実験から生じさせた存在が、たとえば地球人が神々と呼ぶ、木星のブラフマンやエホバの神であり、また土星のタ イタンの精霊たちである。
 こうした4次元的な「神々」は、彼らが自らの投影をルシファーに与えること以外何もしなかった。彼らは、光が鏡に当ってはね返ってくるように、つまり彼 らの投影そのものが、実はルシファーから生じたものであることを理解できなかった。だから彼らがルシファーに何を送ってこようとも、ルシファーはただ単に それを彼らに送り返しただけであった。
 しかし彼らは、自分たちの投影をルシファーに向けてより多くもたらせばもたらすほど、その結果はね返って来た投影、つまり彼ら自身の正義や真実を、ルシ ファーが肯定していると信じるようになったことにルシファーは気がついた。このようにして地球において4次元の神々は肥大化していき、膨れ上がるように なっていった。

 最初ルシファーは、そうした神々が投影して来たものは、実際にはルシファー自身の自己中心的な振る舞いの投影であることを見抜くことができなかった。し かしルシファーがメムノシスに出会ってからというもの、彼らが勝手にルシファーの見解として思い込み、望んでいることは、実は彼ら自身の単なる投影でしか ないことがルシファーに明らかになった。ルシファーがこのことをはっきりと見極めると、彼らは何もかもわからなくなった。ルシファーは彼らにとって至高の 神であり、軽々しく口にしてはならない絶対的な神であったのである。つまり彼らはルシファーを利用し、彼ら自身の行為を正当化していたのである。

 人間がよく知っている地球のさまざまな宗教の神々たちは、これまでになく満足し、慢心していた。しかも彼ら自身の正義による振る舞いは、そうすることが ルシファーのためであると勝手に思い込んだものだった。ルシファーはそのとき始めて、人間が「愛想が尽きる」と表現しているのと同じ感情を抱いた。ルシ ファーはもはや自分の行為に満足できなくなっていた。
 メムノシスはまさに絶妙なタイミングで、テレパシー的にルシファーに近づいて来た。それがマルデクと火星の(崩壊の)出来事のあとであった。「なぜおま えは、そんなに孤独なのか?」、メムノシスはルシファーに尋ねた。ルシファーがその質問に答えようとする間もなく彼は続けた、「私はおまえの一部だ。私も また、まったく光の存在であり、6次元の存在だ。だがおまえと違って、私は他者の意志や自分の自由意志を誤用したことはない。私は「解放」という名の「贈 り物」を携えて、気ままにおまえのところにやってきた」
 言うまでもなく、ルシファーは驚愕し、強い精神的な衝撃を受けた。
 これまでのルシファーの冒険、あるいは誤った冒険の結末のせいなのか、メムノシスという者のルシファーと同等の者の声は、触媒作用を引き起こし、ルシ ファーを粉砕する力を持っていた。この宇宙には自分ひとりで誰もいないと思っていたこの広大な空間に、ルシファーと同じものを共有している誰かがいるとい うことを、ルシファーは渋々認めざるを得なかった。このことはそれ自体で、ルシファーが自分自身に対してかけていた催眠術を叩き壊したのである。

 メムノシスといくつかの会話を交えて、ルシファーたちは自分たちの背景に関することを共有した。それもルシファーにとって強烈な触媒作用を及ぼした。そ してわかってきたことは、ルシファー自身が投影した神々が、あらゆることに盲目で、今やいかなることにも聞く耳をもたないほどに慢心していることがわかっ てきた。彼らは12:60の人工的な時間を使い果たすまでは、みじめで嫉妬深い自らのやり方で自分たちの運命を全うしようとしていた。そして唯一のその方 法は、次から次へと惑星を破壊することしかないように思われ、こうして彼らは自分たちのビームを次なるターゲットの第3惑星・地球に向けていた。

 メムノシスとの議論の中で、ルシファーは銀河連盟が、自由意志を尊重する姿勢を持っていることに深く印象づけられた。銀河連盟は、ルシファーに対してど んな危害を加えることもなかった。ルシファーは初めて深い共感を覚え、カルマの法則を理解したのだった。ルシファーのこれまでの行為を考慮したメムノシス は、ルシファーのカルマから必然的に生じる不快感を和らげるためにある計画を考え出した。それが、銀河連盟のプローブ(遠隔監視)のために、ルシファーの エネルギーを役立てるという計画であった。
 特別な惑星が、ルシファー自身のものとして与えられた。こうしてルシファーは自分の光の参入ポイントを、第6惑星である木星から第2惑星の金星に移動さ せた。金星は「星」と「猿」の部族によって守られていた。木星に比べると金星は小さかったが、大ざっぱに言うと金星は、青い第3惑星テラ・ガイア(地球) とほぼ同じ大きさだった。

 金星人たちはルシファーの到着にあたり、惑星デザインにかかわる魔術的な力を召還し、素晴らしいことを行なった。彼らは軌道上を巡るその惑星の自転を止 めたのである。しばらくの静止状態のあと、金星は再び自転を始めたが、しかし、これまでとは逆の反時計回りだったのである。太陽系の惑星で唯一このような 自転をしているのはこの惑星だけであり、しかもこの反時計回りの自転により、金星の1日はこれまでの金星の1年よりも長くなった。
 金星は反時計回りに自転するようになったことから、放射子の大きなガス状の雲の形から、永続的に4次元のエネルギーを続々と生産するようになった。新たな1日はこれまでの1年よりも長いので、金星に根を張るということはちょうど無限に根を張るかのようなものであった。
 銀河連盟は、ルシファーに驚くほど完璧な場所を用意してくれたのだった。ルシファーは、これまでこの銀河において、もう十分すぎるほどの多くの死の恐怖と不滅性を生み出してきたが、今やここにおいて無限の中で限りなく続く住処(すみか)を与えられてしまったのである。

 この宇宙的ともいえるジョークに対するルシファーの笑いは、ルシファーの涙と同様に、抑え切れないほど激しいものだった。あらゆる感情が解放されたルシ ファーは、より多くの放射子と超放射子のエネルギーを発生させた。ルシファーを世話してくれる金星人たちは、今やこれまでの3次元に根を張ったすべての状 態から解放された。金星の反時計回りの自転のおかげで、ルシファーは自分が扱われるにふさわしい方法で扱われるようになった。
 彼らによると、テラ・ガイアでは未だにルシファーのことを、「反逆天使」であるとか「宇宙の泥棒」といった間違った名前で呼んでいるが、地球でもルシ ファーの本来の名前である「大いなる啓示の夜明けの星」を意味する、ルシファーという名で金星を祝うことになると教えてくれた。地球とその他の部族の間で は、金星でのルシファーの存在は「明けの明星」「宵の明星」の二つの力、つまり、目覚めと死の力の双方を意味するものとして思い出されることになる。
 木星人が、第3惑星地球において12:60ビームを使っていることを知っていたが、それに対しルシファーは金星人の間で計画を立て、青い惑星テラ・ガイ アに別な使者を送ることにした。こうした使者たちの中で地球人に良く知られている者に、仏陀、キリスト、マホメット、ケツァルコアトルという人物たちがい る。だが実際には、こうした者たち以外にもほとんど知られていない多くのたくさんの者たちがいる。このようにしてルシファーは、自分自身のカルマの影響を 中和し始めることができたのである。


Hiloyuki Kubota/久保田 啓敬