5章 電力と住居 : 拡張プラウト主義

○自然エネルギーと家電

 日本のエネルギー自給率は4%程だが、日々使っている家電がどれほどの電力を必要とし、1日どれほどの電力を使っているのかを考える。すると日々の生活に必要な電力は非常に少なくてすむということがわかる。地球上のクリーンエネルギー源には、水力、波力、地熱、風力、太陽光などがあるが、太陽光発電は構造がシンプルで、現在では発電容量2kw、3kw、4kwの物が市販されている。平均的な4人家族では電力使用量は年間3360kwとされている。4kwの太陽光発電では、年間約4000kwの電力を起こすことができるので、すべての電力を太陽光発電で発電できることになる。
 太陽光発電の多くは屋根の上に設置されているが、現在では屋根そのものを太陽光発電にしてしまう半透明な太陽光発電もあり、丸く曲げて利用できるものも開発され、完全に透明になる方向へと進んでいる。よって内側から外の景色を見ることができ、太陽の光で家の中を照らすことも可能になっている。屋根型太陽光発電は屋根としての機能を果たしつつ景観性が良く、軽量で建物への負担が軽減されるなどの特性がある。そしてこの半透明の太陽光発電のガラス板の間に空気層を持たせることで、断熱性と遮音性が高まり結露しにくくなる。もし住居の屋根全体を太陽光発電にし、南向きで30度の傾斜にすれば、毎時10kw程の電力を得ることが可能になる。
 一般家庭が1カ月に消費する電力は約290kwとされ、このうちエアコンが約25%、冷蔵庫、照明器具がそれぞれ約16%、テレビは約10%を占めている。つまり太陽光電池での生活は可能ではあるが1日中発電ができるわけではなく、昼の間に限られるので夜は蓄電池で発電する。

 蓄電池として知られているものにはレドックス・フロー電池やエネパックがある。レドックス・フロー電池は自然放電がなく、1度溜め込んだ電気を何年も蓄電できる。また充電しながら放電ができる唯一の物とされ、2万回以上の使用に耐えられ、部材の再利用が可能で環境を汚染しないものとなっている。ただ一般的にはエネパックが蓄電池として知られており、これは現在では7kwほどの蓄電が可能で、使用環境が良ければ約20年は使える。夜の利用の際、照明100w、冷蔵庫55w、エアコン430w、の合計585wが1時間の消費電力となり、エネパックの7kwから585wで割れば、約12時間の連続使用が可能になる。約7kwを充電するために8時間程度かかるが、昼の消費電力量を抑え、その分を充電に回し、充電分で夜を過ごす。つまり太陽光発電と蓄電池で1日の電力を補うことが可能となる。
 また渓流付近であればピコ水力発電も利用できる。これは高所から低所へ向かって流れる水の力で水車を回し、その回転力で発電機を駆動させ、電気エネルギーを得る。太陽光発電とは異なり24時間フルに動くため、安定した発電が行える。安定した電力を得るためにはある程度川の落差と水量が必要になる。現在は1kwほどの発電量で価格が約150万円ほどのピコ水力発電機が販売されている。
 5kw以下の水力発電をピコ水力発電といい、50kw以下をマイクロ水力発電というが、これらは環境に対する悪影響がほとんどない。しかしダムのような規模になると、海への栄養分の流入バランスが崩れ、生態系が変化し、沿岸の崩壊、地すべりなど様々な環境破壊を引き起こす。小水力発電は建設時の環境負荷が少なく、短期間で設置が可能で、地方分散の小電力需要に臨機応変に対応できる。

 また電力消費量を少なくする取り組みのひとつに、省エネ家電の利用がある。例えば2000年頃の冷蔵庫は年間電気代が3万円近くかかっていたが、2007年頃の冷蔵庫は約4千円の省エネ設計となっている。また消費電力が4wのLED電球と従来の40wの白熱電球を比較すると、電気代1円あたりの点灯時間は約11時間に対して約1時間と10倍近い差がある。寿命においてもLED電球の寿命は一般的に約4万時間となっている。白熱電球は1千時間、長寿命の蛍光灯タイプの電球でも6千時間となっている。つまり1日6時間使用したとすれば、約18年間使用できることになる。家電は省エネ型のものを使うことで、使っている間は気にしなくても大幅な省エネが可能になる。次に示すのは家電製品の消費電力量の目安である。

(比較的長時間使用する家電)
エアコン        430w
冷蔵庫          55w
電球              4w〜100w
蛍光灯           4w〜110w
TV32インチワイド  250w
液晶モニタ          20w
デスクトップパソコン    150w〜300w
ノートブックパソコン       50w〜120w
HDDレコーダー           40w
DVDプレーヤー      30w

(比較的短時間使用する家電)
炊飯器 3合        700w
炊飯器 5.5合     1200w
掃除機          1000w
洗濯機           500w
アイロン         1200w
ドライヤー         600w〜1200w
IH調理器          600w〜5800w
電気給湯器        1000w〜2000w
温水洗浄便座          350w〜 900w

 一般家庭において使用率の高いエアコン、冷蔵庫、照明器具、テレビなどを一緒に利用しても、1kw以内に収まる。また消費電力量の大きな家電は、使う時間帯を調節すれば解決する。1日に必要な電力は非常に少なくてすみ、意識すればさらに減らすことができる。このように家庭の電気は太陽光発電、ピコ水力発電、蓄電池、省エネ家電を組み合わせる。人間に必要な電力設備は原子力発電やダムなど大規模な発電施設ではなく、1日に必要な電力を作ることができる最低限の発電設備であり、それによって人間にも自然にも大きな脅威と負荷を与えずに、自家発電での生活が可能になる。
 次に省エネをより効果的にするために住居そのものの在り方について、これからの時代にはどういった住居が良いのかをみていく。ここでは大宮健次氏の「エネルギーダイエット住宅のススメ」から考えていく。

○断熱化

 日本の住宅は年々大型化し、昔と違って風呂、洗面、シャワーがあることは当たり前で、家中に家電製品があふれている。冷暖房の普及も著しく、多くの家庭は寒いときにその場所だけを温める間欠暖房が主流である。しかし他国は例外なくセントラルヒーティング(終日全館暖房)を採用している。日本でのセントラルヒーティングの普及率は欧米先進国の10分の1にも届かない。
 もし現在の断熱性能のまま日本の住宅に欧米並みのセントラルヒーティング化が進めば、消費される暖房エネルギー量は欧米をはるかに凌ぐことになる。現在の日本の住宅は断熱性が低いため、部屋の空気温度を高くしなければ暖房にはならない。断熱性の低い日本の家では暖かい空気は上に行き、顔は火照っているのに足もとが寒いという状況はよく起こる。いくら暖房しても熱は奪われていき、窓にはビッシリと結露が発生する。日本の住宅の断熱性の低さは冬の窓が表しているといえる。人が感じる温度は周りの壁や床、天井などの表面温度と空気温度を足して2で割った値といわれている。つまり空気の温度が25℃であっても、壁や窓の表面温度が15℃しかなければ、人の体には20℃の温度にしか感じられない。暖房設定温度を高くしても暖かさを感じない多くの日本の家は、エネルギーを無駄使いしている。家庭における最大の省エネ対策は、断熱性の向上にある。

 断熱性を高くするには気密性を高めなければならない。なぜなら断熱材をいくら入れても、隙間だらけの住宅では家の中に外気が入り込んで断熱材の効果は上がらないからである。気密性が不足すると隙間風によって家の中の空気と外気が絶えず入れ替わるので、暖めても冷やしてもエネルギーロスは大きくなる。隙間風による熱ロスは50%以上にもなるので、壁の中に断熱材を入れただけでは省エネにはならないのである。隙間があると外部の湿気を含んだ空気が断熱材のない部分で結露を起こす。また室内の水蒸気が断熱材の内部で結露を起こす。そうすると水分が柱や土台を腐らせてしまうことになる。このような内部結露は目に見えない場所で起こるので、気がついたときには問題が深刻化しているケースが多い。
 気密性の最も基本的な機能は結露を防止することであるが、24時間の機械換気と組み合わせることで、住宅の居住性を飛躍的に向上させることができる。換気をするとせっかく暖めた空気を外に出してしまうので省エネと矛盾するように思えるが、計画的に効率よく行うことで室内の空気を常に新鮮に保ち、埃や湿気を外部に排出して結露の発生を防ぐことができる。気密化された住宅の換気効率は、気密性の低い家の5倍になる。つまり同じ空気の質を維持するのに5分の1の換気ロスですむということである。気密と換気の両立は省エネ住宅の最も大切なテーマである。
 断熱性の低い日本の家では、冬になると窓が結露するのは当たり前の光景である。窓に複層ガラスを採用している日本の住宅は約8%にすぎない。複層ガラスとはひとつのサッシに2枚以上の板ガラスを組み込み、間に乾燥した空気を密閉したもののことで、先進国の中で日本の複層ガラスの普及率は最下位で、20軒に19軒はいまだに単板ガラス窓の家で暖房をしている。二重の複層ガラスの他にトリプルガラスという3重窓もあるのでそちらも案の一つである。熱を伝えやすいアルミに比べ、熱伝導率は約1,000分の1となっている。
 身近に目にするのはアルミサッシや窓ガラスの結露だが、アルミはきわめて熱伝導率が高いため、外気が冷たい冬には常に結露した状態になる。さらにサッシ枠の裏側の目に見えない部分で発生した結露は、窓台内部に浸透し、窓台を濡らして次第に柱を伝いながら下へと流れ、最終的には土台まわりを侵すようになる。こうして柱や壁の腐朽、カビやダニの発生に大いに貢献している。対策はサッシを熱が伝わりにくい素材にすることで、木製サッシの熱の伝わりやすさはアルミの約1500分の1であり、断熱性には歴然とした差がある。

 現代の日本の住宅は97%が内断熱工法で施工されていると言われている。内断熱では断熱材と断熱材の間に木材が入る。断熱材と木材では熱伝導率が違うので熱の橋渡しをしてしまい、断熱効果が薄れ、この部分に集中的に結露が発生し、建物の腐食やカビ、ダニの原因になる。断熱材は本来連続して均一に施工されるべきもので、断熱材が連続していればどの部分も均一の断熱性が確保されるので、暖房しても結露を起こさずにすむ。外断熱の場合、断熱材を建物の外側に連続して施工するため熱欠損部が生じない。すべてが断熱層の内側にあるため、いったん温まると冷めにくく、外気の温度変化の影響を受けにくいので、小さな能力の機器を連続的に運転することで24時間冷暖房が可能になる。断熱材を外に張ったから外断熱で、それですべての問題が解決すると考えてはならない。
 断熱材として評価の高い物にネオマフォームというものが販売されているが、これは断熱性が非常に高く、製造過程でフロン系ガスを使わないのでオゾン層を破壊しないなどのメリットがあるとされている。プラウトでは誰もが最高品質の断熱材を自宅に完備する。
 このように高気密化と高断熱化された住宅は、家中の温度が一定に保たれるので快適で結露がなく、ダニやカビの繁殖を防ぎ、木が腐らず家が長もちし、効率よく冷暖房ができて経済的で、空気がいつもきれいなど多くのメリットがある。


○木組みの家

 次に長持ちする家という観点から日本の伝統建築技術に着目してみる。日本のモノづくりの巧みさを考えるとき、現在の家作りには多くの後進性が目立つ。その代表的な例に、日本の住宅の30年で建て替えという異常な寿命の短さである。ヒノキで1400年、スギで800年、マツやケヤキで100年は寿命を保つのにである。607年建立の世界最古の木造建築である法隆寺は、今日では1400年余を経ているが、更に1000年以上今日の姿を持ち続けるといわれている。日本の木造住宅の短命な理由は先述したとおり、結露への対策が貧弱なまま冷暖房が普及したことが大きく影響している。
 奈良の法隆寺や昔の建物で証明されている通り、本来木造建築はきわめて高い耐久性能を持っている。伝統的な建物に見られる土壁などは、各地域で産出される土や粘土を用いて施工され、防火性、断熱性、遮音性、吸放湿性、耐久性に優れ、自然素材なので健康にも良い。
 こういった日本の伝統木造建築は修理することによって残されてきたが、修理を施すことができるのは解体しやすい構造になっているからである。レンガや鉄筋コンクリートの建物では隠れてしまっている構造材も、日本の木造建築では梁(はり)や柱などを見ることができる。つまり骨が外にむきだしになっていて独立しているため、比較的容易に建物を解体することができ、構造材が傷んでくると、その部分だけを取り替えることができるのである。
 かつて日本では神社仏閣から個人住宅、そして校舎や町役場まで木造であった。ところが昭和30年代から新築したり建て替えたりするときには鉄筋コンクリート造りになり、木造建築は見向きされなくなった。その背景には鉄やコンクリートの供給体制が整ったことや、地震や火事に強い都市造りが求められたことなどがある。鉄は木よりも強く、火に強いため、鉄のほうが住居に向いているというイメージを持たれがちであるが、木の特性についての理解は深くない。次に木について基礎的な知識を見ていく。

○木の特性

 今地球上にある生物で最も大きく、長寿の生物は樹木である。世界最大の樹木の高さは124mに達し、寿命の長いものは5000年を超える。日本のヤクスギは2〜3000年の樹齢のものが多く、中には7000年ともいわれる縄文スギがある。
 木材の主な成分であるセルロースやリグニンは熱を伝えにくい物質であり、木材の構造を組み立てている細胞は中空で、細胞と細胞の間にも隙間があり、空気が多く含まれているため保温や断熱効果が優れている。どれだけ熱が早く伝わるかを示す熱伝導率があるが、水を1とした場合木材は0.5、鉄は105となっており、鉄は木材に比べ200倍も早く熱を伝える。
 人は歩くとき床が硬いか柔らかいかを敏感に感じるが、床が硬いと衝撃を吸収しないので、歩くときはすべての衝撃を足で受ける。そのため硬い床は歩きにくく脚に疲れを覚える。また歩いているとき、体重の2〜3割の力が脚の関節にかかると言われ、関節の負担も大きくなる。そういった負担が少なく歩きやすい素材として大きな会館や劇場等の舞台では木が使用され、その殆どにヒノキが使用されてきた。
 また目が疲れるとやがて体全体が疲れてくるが、人間の目には反射率50〜60%の光がもっとも心地が良いとされている。住宅などで天井や壁に木材や艶のない凸凹のある材料を使い、直射日光が目に入らないようにしているのはこのためである。人間に最も適した反射率はヒノキや畳で、スギや障子紙がこれに次いでいる。木材は目に悪い影響を与える紫外線を吸収する働きが最も強い素材となっている。
 また木材は燃え、鉄は燃えないのは事実だが、木材もある程度の厚さや太さがあれば表面が焦がれるだけで、それ以上はなかなか燃えない。木材は420℃で発火し、その後は表面に出来た炭化層が断熱材の役割を果たし、木材内部の温度上昇を押さえ、熱分解して生ずる可燃ガスの発生を防ぐのでそれ以上は燃えにくくなる。鉄は温度が250℃になると変形し始め、5分も経たないうちに元の強さの半分になってしまうが、木材が元の強さの半分になるのには20分かかる。アルミは5分も経たないうちに元の強さの30%程度まで低下する。多くの火事跡で木の柱は黒焦げになっているがその骨組みは残っている。鉄骨造りの場合柱は折れ曲がり、屋根が崩れ落ちていることが多く、窓枠に使われたアルミサッシは原形をとどめていないことが多い。

○宮大工

 こういった木の特性を理解し、伝統的な大工技術で住居を建ててきた宮大工(みやだいく)が日本には存在する。宮大工は木を再利用する精神など、石油化学製品に依存した現代社会の問題に対する答えを持っている。日本の伝統構法は百年を越す耐久性を真剣に考え、適材適所を見極め、構造が見えるように造り、釘や金物に頼らない木組みで住居を建てる。建築金物は使用される環境によってはすぐに錆び、性能が低下し、結露を呼び込んで木を腐食させてしまうからである。次に塩野米松氏の「木の教え」より、宮大工の口伝について見ていく。

・木を買わず山を買え

 口伝の1つに「堂塔の建立(こんりゅう)には木を買わず山を買え」というものがある。この口伝は、大きな建物をつくるときには木を1本ずつバラバラに買わずに、山を丸ごと買いなさいという意味で、便利だから、安いからといってあちこちの山や林から買い集めてはいけませんという忠告である。
 今ふつうの民家を建てるとき、大工は製材された木を材木屋や製材所に注文して、柱や梁や天井用にと目的に合わせて買う。製材所では運び込まれた木を柱用や梁用に寸法を決めて用意する。しかし昔は棟梁が自ら山に行って「この木は柱に」「この木は梁に」と使い道を決めて、山で大雑把に製材して運んできた。大きな建物をつくるには大変な量の木材がいるが、そうした材料を買うときには山の木を丸ごと買うことを勧めている。なぜ山ごと買うのがいいのか、その理由は次の口伝「木は生育のままに使え」に関係がある。

・木は生育のままに使え

 木の生えている山は南の日当たりのいい斜面もあれば、北の日当たりの悪い寒い場所もある。木はこうして与えられた環境のなかで長い時間をかけて大きくなる。太く大きな木は寿命の長い木である。大きな木はその時間の分だけ、自分の育った環境の影響を受けている。それがその木の癖となって材木になった後に出てくる。厳しい環境で育った木はそれに耐え続けてきたという癖を持っている。例えばずっと西風に吹かれて育ってきた木は風に立ち向かっていくため枝をしっかり張り、根元も風に負けないようにがっしりと張っている。そして風に押されたら押し返す力が蓄えられている。こういう木を伐り材にすると、木に備わった風に対抗する力がねじれとなって出てくる。木には育ったところによってそれぞれこうした癖があるので、「木は生育のままに使え」という口伝が残されているわけである。

・木を組むには癖で組め

 木は工場から出てくる鉄骨やブロックのように均一のものではない。木は1本ずつが育った環境も経歴も違う。その1本ずつの木の性質を見抜いて使えば建物は丈夫で長持ちし、材となった木の寿命を使いきることができる。
 例えば、4本の柱で建つ建物の柱に4本とも左ねじれの癖のある木を使ったら、建物は時間が経つにつれて木の癖が出て、互いの力が同じ方向に働いて建物そのものが左にねじれてしまう。屋根や壁はねじれを計算していないので、ひびが入ったり隙間ができたりして建物の寿命を短くしてしまう。ところが右ねじれと左ねじれを上手に組み合わせれば、木は互いの癖を補い合いながらなおしっかりと建物を維持していく。こうした癖を上手に組み合わせることでより丈夫な建物を建てることができる。これが「木を組むには癖で組め」の教えるところで、癖の悪いものとして排除するのではなく、長所と見て上手に生かして使えるようになることが必要だといっている。

・いのちを使いきる

 木のいのちを十分に使うために、工人たちは木の寿命をより長く生かす工夫を怠らなかった。日本の伝統的木造建築の特徴の1つは解体して修理することができるということだが、木には建物になってから出てくる癖もあるので、時間が経つと建物はひずみが出たり歪んだりしてくる。風雨にさらされていれば木の建物は傷んでくる。傷んだままにしておけば壊れる速さが増す。そのためにある程度時間が経ち傷みが出てくると、いったん建物を丸ごと解体してしまって悪い部分を取り替え、補修して建て直す。もし解体の際に柱の下の部分が腐っていたとすれば、そこを切り取って継ぎ足す。柱としてそのまま使うことができなくても、捨ててしまうのではなくほかの場所に再利用する。1枚の板、1本の柱でも寿命のある限り何度でも使う。そのために伝統的木造建築ははじめから解体できるようにつくってある。やたらに釘や金具を使わず、木と木を組み、時間がたてばだんだん締まっていくように考えられて作られている。柱と梁などの組み合わせにしても、木のくさびを打ち込むことでゆるみを収めていくやり方である。木が乾燥して縮んできたらくさびを打ち込んでやれば締まる。そうすることで解体が簡単になり、解体した木も十分再利用することができる。釘や金具でがっちり動かないように固めてしまった家では、解体そのものが無理になる。
 宮大工の西岡常一氏は「千年の木は千年もつようにしなくてはならない。」と言った。檜を使った建物すべてが千年もつわけではない。癖を生かして使ってこそ千年もたせることができる。千年の檜を千年もたせることができるなら、檜を伐ったそのときに新しく苗を植えておくことで、千年後の資源に困ることはないわけである。
 木を育てるためには自然の競争にまかせる方法がある。木を伐るときにも種をまき散らす大きな木を残しておいて、その木の子供を自然の競争にまかせて大きくさせる。この種をまき散らす母親の木を母樹(ぼじゅ)、親木(おやぎ)という。この方法は人間が畑で種を播き、苗を育てて、ある程度大きくなってから山に移植する方法よりもずっと効率は悪いが、寿命の長い木が育つ。日本では多くの場合、苗木を移植する方法で植林をおこなっているが、土や環境が変わることや、移植の際に根が切れることなどから、檜の場合でも千年の寿命のある木が育ちにくい。木の更新にはこのように親木の種が地上に落ちて芽を出す萌芽更新(ほうがこうしん)という方法や、鳥や獣が種を食べて落とした糞から芽が生える天然下種更新などの方法がある。この方法が人間が移植するより育ちが良く丈夫なのは、環境のいいところの木が競争に勝って育つからで、育つということはその木にとってそこが適材適所の場所だということである。
 これとは反対に人間が植林して出来上がった人工林は、樹木が不自然に密集し、それにより森に日が差し込まず、土が痩せ、崖崩れが増える。つまり結局自然は自然に任せておかなければ、数十年後に人間が間伐を行う必要が生まれ、自分達で無駄に作業を作り出す結果となる。

○家庭排水

 ここまでは木造建築、電力の自家発電、断熱性の高い住居について考えてきたが、こういった要素に加え自然と調和した住宅を構築するためには、家庭排水の問題を解決しなければならない。家庭から出る主な排水は、洗濯機、台所、洗面所、風呂場、トイレからだが、まず排水はすべて農地還元ということが基本となる。その為に住居横に地中へ浸透させる穴などを用意するが、使用の際には必ず無公害の石けん、洗剤、歯磨き粉でなければならない。天然のヤシの実から作られた石けんや、オレンジの皮の成分などで作られた泡立たないものなど、石油系原料や化学物質を使用していない石けんは排水後、完全に分解される。
 ただもしそういった石鹸がすぐに手に入らない場合は、80度以上の熱湯で洗うということが基本となる。そこに塩や重曹を組み合わせて使用する。熱湯は殺菌や油を落とす特性があり、塩や重曹も殺菌と消臭の効果がある。香り付けが必要な場合は柑橘類などを利用する。素手で熱湯を扱うことはできないので、食器洗いについても熱湯洗浄できる食洗機を使用する。
 洗濯には従来の石鹸を使わずに洗えるランドリーリングがすでに販売されており、風呂で身体や頭を洗うときにはマイクロバブルという小さな気泡で洗浄する技術を使用する。
 洗面所についても同様で、歯磨き粉がない場合は塩を使い、同様に風呂場でも塩を使う塩浴を基本とする。海水と同じくらいに塩を溶かした塩水には殺菌能力や消臭能力があるが、毛穴に詰まった汚れを浮かせて出す効果があり、皮膚が滑らかになる効果がある。
 洗髪、洗顔、体洗い、消臭には他にも、重曹、ミョウバン、塩などを使用することもできる。重曹には殺菌成分があり、ミョウバンは殺菌、制汗、消臭作用や、皮膚を弱酸性に保つ効果などが皮膚表面の雑菌の繁殖を抑え、加齢臭や頭皮、わき、陰部、足などの体臭を抑える効果がある。用途に応じてコップの水に小さじスプーン1杯ずつを溶かし、スプレーなどに入れれば使用できる。重曹は石灰石から、ミョウバンはミョウバン石から作られている天然資源なので、直接農地へ還元することができる。
 こうして一切の化学物質を使わないので排水の農地還元を行っても土壌を汚染することがなくなる。現在主に利用されている洗剤の合成界面活性剤のなかには、1ヶ月経っても半分も分解されないものがあるということで、これらを農地へ還元すれば土壌が汚染されるのは当然のことである。

 そしてトイレの排泄物の処理について結論から言えば、水洗トイレではなくバイオトイレを使用する。バイオトイレの便槽の中にはオガクズなどが詰め込んであり、排泄された糞尿をオガクズで撹拌させて分解•堆肥化する。最終的には土化したオガクズ、または再利用可能な堆肥を生成する。バイオトイレは水を使わず、臭わず、汲み取りも不要で、糞尿の資源化が可能となり、生ゴミも処理できる。現在では内部のオガクズは3〜6ヶ月に1回程の交換が必要となっている。
 このバイオトイレに温水洗浄便座(ウォシュレット)を使用し、温水洗浄後はトイレットペーパーではなく温風乾燥する。排泄後はトイレットペーパーで尻を拭くことが多いが、衛生面から考えると紙より温水で洗う方がきれいになり、健康にも良い。また温風乾燥によってトイレットペーパーを使用しなければ、世界中で生まれる莫大な量のゴミと紙資源を無くすことができる。よって乳児の排便後も温水洗浄と温風乾燥が基本となるので乳児用補助便座が必要となる。
 ただトイレットペーパーの必要性が検討された場合は、化学物質が未使用の紙を使用する。現在のトイレットペーパーは生産過程で使われる着色料や漂白剤などの化学物質によって土壌が汚染される問題があることから、代わりに麻紙や楮紙(こうぞがみ)などの和紙を応用した植物性の紙を製造する。特に麻など脱臭効果のあるものや自然分解されると農地の栄養分となるものが良い。

 そして最後にゴミの処理についてまず理解しなければならないことは、拡張プラウト主義のような自給自足社会においては現代のような商品を包むビニール袋やペットボトル、カン、ビンなどの、容器や包装のゴミはないということである。つまり残るのは生ゴミだけとなる。しかし食生活がマクロビオティックのように根•茎•葉の丸ごとを食する形に移行することによって捨てる部分はほとんどなくなる。よって捨てるとしても微々たる量であり、農地に穴を掘って埋めれば微生物が分解することになる。ただゴミという概念はなくなり、栄養分として農地に還元されるだけとなる。
 このように家庭排水、排泄物、食材の残りはすべて農地還元が原則になる。また家庭内の不要になった物は燃やして炭や灰にして地中に埋める。現代のように排水は海や川へ放棄するのではなく、自己処理で農地に還元することで土壌の肥沃化を促し、海も川も永遠に澄んだ状態を保ち、近所の川の水を飲むことも可能になり、水中の生物も本来の豊かな状態に戻る。

○ドームハウスと地下住居の組み合わせ

 日本を含め世界のあらゆる国で地震、竜巻、火山の噴火、津波による洪水が起こる。つまり人間はただ住むだけの家ではなく、災害から確実に身を守るための住居を建てなければならない。これらのどの災害にも強い住居は、地下に作ることである。ただ現状の科学技術では太陽光発電を使用するので、地上部分の住居は半球型のドーム上にする。そのドームは三角形をベースとした木組みで作る。この半球はどの角度からの揺れや圧力にも強い性質がある。現在の四角に建てられた家は、横からの圧力に弱いという特徴がある。
 また地下住居も上から見れば円状に作る。それにより横からのどの方向の圧力にも対応する。

○住居の大きさ

 そして自給自足社会になれば社会的身分格差は無くなり、収入の多さによって家の大きさが変わるようなこともなくなり、誰もが快適で適度な大きさの家に住むことになる。ただ地上部分のルールとして、自然をできる限り放っておいて、世界中が自然で溢れる状態にする必要がある。
 結論から言えば地上部分は直径13mのドームハウス、地下部分は直径14mの地上と地下からなる。地上部分は隣家との距離が6m開き、地下部分は隣家との間隔が4mとなり、土が防音の代わりにもなる。また火事が起きた時に、隣家に燃え移らない距離でもある。
 地上1階と地下1階の多くを吹き抜けとして、太陽の光が入る開放的なものにする。地下2階の1部屋をシェルターとしての作りとし、津波や竜巻の緊急の際に逃げ後れた時に避難できる場所とする。

○これからの家

 ここまで述べてきた要素に加え、家電にはIH調理器や電気給湯器など、全て電気によってまかなうオール電化を使用する。米は家庭で育てることになるので、収穫した籾を玄米にする電動脱穀機と、玄米から白米にする精米機が必要となる。そして家庭用圧搾機、IH圧力炊飯器も必要となる。食器洗いには熱湯で洗える食洗機を使用し、環境汚染がない洗剤が手に入るまでは、熱湯、重曹、塩などを組み合わせて使用する。
 さらに裁縫に必要なアイロンやミシン、連絡や情報収集に携帯電話やパソコン、移動に電動自転車、電気バイク、電気自動車も必要になる。自転車、バイク、自動車は電気で動くことになるので、モーターと電池で動くシンプルな構造になる。これらは各家庭のコンセントに差し込むだけで給電が可能になる。さらに洗濯機、ドライヤー、歯ブラシ、生理用品なども生活品として必要になる。洗濯機も食洗機と同様、80度以上の熱湯で汚れを落とす。
 そして断熱材や壁には麻を使用する。麻は成長が早く、断熱性も優れ、環境にも良い。

 こうして高気密・高断熱化された住居は、全館空調システムによって24時間365日の冷暖房と換気を行う。これにより住居内のエアコンは主要な場所に1台か2台で済み、玄関から上の階まで室温は一定の温度に保たれ、湿度も調整される。併せてある程度の遮音性を持たせるため防音施行もする。風呂場の浴槽は家族全員が一緒に入れる大きさを設ける。風呂場、洗面所、台所などあらゆる排水溝には必ず網をしてゴミを流さず、排水溝は始めから大きくしておきゴミが詰まらない工夫も施しておく。そして衣類の保管には天然の樟脳(しょうのう)を使用する。樟脳はクスノキが原料なのでどこでも採取が可能となる。さらに個人や団体が撮影と編集を行い、完成した動画をネット上にアップすることも現在よりも盛んになるので、ビデオカメラ、デジタルカメラ、音響機器も必要となる。そしてそれらの映像はインターネットと繋がった液晶テレビ、パソコン、携帯電話で見ることになる。また火災が起こった際に住民自らが初期消火活動を行って被害を最小限に抑えることができるように、小型消化ポンプも生活品として設置される。

 また地震対策のために住居などの建造物には、免震ゴムなどの免震装置を備え付ける。日本には国が把握している活断層以外にも未知の活断層が無数にあり、結局どこで地震が起きるのか、現在の科学ではわからない。過去に起きた直下型地震でも発生したことのない3秒周期の揺れに耐えうる免震装置の設置は、必要不可欠となる。特に日本は、これからも地震と付き合って生きていかなければならない。

  また急に発生する竜巻などの対策として、一定期間過ごすことができる地下住居には外部と連絡がとれるよう自治体の総務省への緊急電話やネット環境を整えておき、構造としては地上部分が吹き飛んでも地下に影響がないものにする。

 そして自然農を行えば現在の人工的な食物がなくなるので、冷蔵庫は野菜と種子と米1年分の保存を目的とした設計になる。家庭ではこの籾殻がついた籾を冷蔵庫で低温保存する。米の品質を劣化させない1番の方法はこの籾殻がついたまま低温保存することで、保存にはプラスチック製の密閉容器を用いる。そして半月に1回食べる分の籾を脱穀して籾殻を取り除き、玄米にする。必要であればその玄米を精米機で白米にする。
 1人1ヵ月に10キロの米を食べるとすれば、5人家族では毎月50キロを精米することになる。よって米を1年間保存するために必要な冷蔵庫の大きさは5人家族で約600キロの米が入ればよいので、縦横高さ約120cm程の容量となる。そして冷蔵庫に使いやすく保管するために、半月25キロ分の米が入るプラスチック製の密閉容器を24個程用意して、1年分を保存する。
 冷蔵庫には、種子の冷蔵庫と野菜室を設ける。種子の保存環境は様々なので、温度と湿度を調節できるようにする。さらに冷蔵庫には野菜の保存を目的とした冷蔵庫を設置する。収穫した野菜の保存方法も、立てて保存すると長持ちするものから、土がついたままのほうが保存に適しているものまで様々なので、そういった保存方法に対応できる作りにする。

 現在の日本の団地や一般住宅には、場合によっては玄関を入ると正面にトイレ、階段、浴室、脱衣所などがあるが、来客時に使いづらいことや気品の問題など何かと不都合が多いのでこういった造りは避ける。洗濯後の衣類を干す場所も、道路に面していると通行者に下着などが見えてしまうので、人目につきやすい面は避ける。よって干す場所、洗濯機、脱衣所、浴室はセットとして考え、通行者からは見えづらい場所に配置する。トイレ、浴室、階段は玄関から見えにくい場所に作る。
 日本の田舎など農作物を育てて生活を送る地域に見られる特徴として、近所の人達が自分の家のように隣の家に出入りしてコミュニケーションをとるということがある。都市では昼でも鍵を閉めて生活を送る人が多くなるが、田舎では入口は開放的になっていることが多い。つまり拡張プラウト主義の世界ではこういった隣近所の人々の出入りが自然と増えるので、住居の作りもそういったことに配慮した設計が望ましい。よって地上部分のドームハウスは、家族が集まる場所や客室は広く開放的な作りにしておき、併せて車も駐車できる場所としておく。

 そして家の中の家具や物の置き場所は基本的に低い位置に統一するのが望ましい。家の中に自分の目線より上に物があると、人間は無意識に落下の危険性を感じるので気分的な落ち着きが損なわれる。とくに日本人は床に座ることが多いので、家具や物を置く高さは腰の高さくらいまでに統一すると、家全体の雰囲気が落ち着き、安心と開放感が得られる。よってタンスを使用するのではなく、クローゼットや洋服部屋を備え付けておく。

 住居の内装については民族の数だけ多様性は増え、色鮮やかで曲線を多用したデザイン、円形の窓や扉、自然素材を使用した小物など、人間の好奇心や想像力を刺激する遊び心に溢れた住居は生活を明るくさせる。電灯も照明芸術として設計し、電灯にはLED電球が使用され、住居内には間接照明を多用し、夜のライトアップされた自宅を楽しめるようにする。そしてこのような独創的な家がごく普通のものとして世界中に建てられる。

○ドームハウス設計の際の確認事項

●住居の配置や自治体内に子供が飛び出して車に跳ねられるような死角はないか。
●火事が起こった場合、住居の配置に問題がないか。
●火事が起きた場合のドームハウスの耐久性と崩落時間の調査。火事に強い素材の使用。
●火事が起きた場合、地下シェルターの耐久性と避難経路の確保。
●住居建設位置の地盤が軟弱ではないかの調査。
●震度10以上の揺れに対する耐久性と、そのテストを動画公開。
●震度10の地震が起こった場合の家具、内装、照明のデザインの在り方。
●土砂崩れに巻き込まれた際、どの程度の重さまで耐えるかのテスト。 ●噴火が起きて太陽が遮られた時、他地域からの地下電線で確実に送電できるか。
●雪や火山灰が屋根に積もって、それを簡単に除去できる作りか。
●1階2階の柱が繋がった直下率の高い住居か?耐震性の高さを確認。CGで検証可能。
●家電、住居、自治体からの電磁波がどれほどか調べる。低い方が良い。
●浸水した場合、住居地下部分の排水はどうなるのか確認。
●竜巻にあった場合に、ドームハウスは何キロの重さまでなら飛ばされないかを確認。飛ばされない工夫を施す。
●落雷に対する対策。
●ドームハウスに適した資材が木以外にあるのか確認。
●木で作る場合、ドームハウス一件につき木を何本使うか調査。それにより自治体の最低限の栽培樹木数が決まる。
●ドームハウスは黄金比とトーラスを基本的なデザインパターンとして用いる。
●ドームハウスのあらゆる角は丸みをおびさせることを基本とする。


○住居と生活必需品の一覧

 こういった住居と共に、自給自足の為の農地が提供される。5人家族であれば約33m四方の農地で、スプリンクラーを使って新鮮で栄養豊富な川の水を農地全体に散水する。このようにこれからの家には自然と調和して生活するために、次の要素が必要となる。

【食物と農業】
 約33m四方の土地で自然農(5人家族)

【住居関連】
 木組みで麻壁のドームハウスと地下住居、麻の外断熱、木製サッシの複層ガラス、全館空調システム、免震装置、地下室、地下式消火栓

【電力関係】
 太陽光発電、水力発電、蓄電池

【家電】
 ・通信 (携帯電話、パソコン、HDD、無線RAN、液晶テレビ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、マイク、スピーカー)
 ・移動 (電動自転車、電気バイク、電気自動車、ヘルメット)
 ・台所 (IH調理器、給湯器、冷蔵庫、炊飯器、脱穀機、精米機、圧搾機、電動ろくろ)
 ・衣類 (洗濯機、アイロン、ミシン)
 ・美容 (ドライヤー、ヘアアイロン)
 ・掃除 (掃除機)
 ・便所 (バイオトイレ、温水洗浄便座 ※温風乾燥、脱臭機能、乳児用補助便座付き)
 ・その他(時計、LED電球、スプリンクラー、小型消化ポンプ)

【日用品】
 ・洗浄 (マイクロバブル、ランドリーリング、石鹸、シャンプー、リンス、洗顔料、洗剤、柔軟剤(大豆由来など)、塩、歯磨き粉、重曹、明礬)
 ・洗濯 (洗濯用ネット、物干しハンガー、洗濯バサミ、物干しスタンド)・台所 (たわし、スポンジ、箸、皿、コップ、スプーン、フォーク、鍋、やかん、フライパン、包丁、まな板、流し台など)
 ・風呂 (ボディブラシ、洗面器、風呂ぶた、風呂マット、簀の子、鏡)
 ・便所 (トイレブラシ、スリッパ)
 ・掃除 (ほうき、ちりとり、モップ、雑巾、ホース)
 ・織物 (生地、ハンカチ、タオル、バスタオル)
 ・家具 (机、椅子、本棚、収納箱など)
 ・寝具 (ベッド、布団、枕、シーツなど)
 ・衣類 (衣服、靴、眼鏡、靴べら、姿見、裁縫道具、天然樟脳)
 ・顔  (歯ブラシ、剃刀、髭剃り、小ばさみ、リップクリーム、義歯用品)
 ・化粧 (口紅、ファンデーション、アイシャドウ、マスカラ、メイク落とし、化粧水、乳液、ヘアワックス、手鏡、櫛)
  ・工具 (スパナ、ドライバー、金づち、やすり、電動ドリル、はんだごて、鋸、ニッパー、ケーブルカッター、ネジ、釘)
 ・文房具(シャーペン、色芯、ボールペン、はさみ、カッター、定規、分度器、消しゴム、絵の具、のり)
 ・紙製品(和紙、画用紙)
 ・医療品(ハーブ、絆創膏、マスク、包帯、テープ、血圧計、体温計)
 ・生理用品(コンドーム、ナプキン、タンポン、軽失禁用品、布オムツ)

 これらすべては天然素材が使用され、再利用できるものとなる。こういった要素が揃った住居を建てると、百年後、千年後の人間は歴史的建造物で生活を送っていることになる。しかし現在の社会では個人でこのような住居を建てることは難しく、社会全体でまとめて取り組む必要がある。全体で取り組む方法は後述するとして、このような家庭が増えると社会の在り方そのものが変わることを意味するが、その中でも教育の在り方は大きく変わる。次に自給自足社会の家庭で育つ子供にはどういった教育方法が最善なのか、教育の本質的な在り方を見ていく。